ええと、戦争はいけません。まして核兵器などもってのほか。すみやかな全廃を望みます。これ、あたしの基本姿勢です。しかしですね、世界にさまざまな国や民族や宗教や思想があって、それぞれが軍備を持ち敵対している状態では、いくら平和憲法があるといっても、丸腰でいるわけにはいかんだろ、というのも、日本語を操り、というか日本語しか操れない日本人のあたしは思うわけなんであります。
とくにうっとこの近所には、笑顔をみせながらも着々と世界に覇をとなえようとしている新超大国と、なんでもありの飢えたチンピラ将軍様国がありますからねえ。抑止力になっている大国アメリカも、オバマ路線で内向きの政治が進行すれば、その強面ぶりがどんどん薄れ、存在が頼りなくなって行くことでありましょうからね。いやしかし、ミリ関係のことを書くときは誤解を生じやすいので前置きが必要なのは面倒ですな。
さて、ガキんちょの頃、遺族の家の標識や傷痍軍人の物乞いをつぶさに見、戦争を体験した人々の悲しげな背中を見て育った我々の世代なのではありますが、日本が超加速度的に戦後復興できたのは、皮肉なことに朝鮮戦争が勃発した所以でもありまして、感受性高きおりに見た漫画は「0戦はやと」「紫電改のタカ」はじめ「アニメンタリー決断」などなど戦争モンが多かったんです。少年雑誌の特集記事には「巡洋艦鳥海のすべて」とか「大図解!特殊有翼潜航艇海龍」とかの記事が煽ります。この擦り込みが実に大きかった。当時子供が買えるオモチャといえばプラモデルで大概が兵器のプラモでした。まずは零戦21型あたりから入門し、タミヤのリモコン戦車、ニチモの艦艇シリーズと進み、その後、96艦戦、伊400潜、軽戦車チハ、南部十四年式拳銃などと、どんどんマニアックになっていくのでありました。社会に出てからも小量生産の目玉が飛び出るほど高いレジンモデルなどに後ろ髪を引かれたことがありましたが、安月給なのが幸いして一線を超えずに済みました。
というわけで、目下、日本の内需拡大の最大のターゲットにされているといっても過言でない、戦後生まれの子育てを終わったオッサンらには、よこしまな思想なしに脈々と兵器礼賛の血脈が注入されてしまっておるのであります。これは戦中派の人々にはおそらくない感覚でありましょう。この感覚の歪みについては常々、皮肉なことだなあと思ってきましたけど、もはや世の主流は次代の人たちに推移しつつありますので、我々の世代は密やかにかつ能天気に、図らずも擦り込まれてしまった、ミリ趣味を愉しませていただいてもいいのではなかろうかと考えておるしだいなのでございます。なもんで本件、「兵器のフェロモン」についても今後ちょいちょい言及させていただく所存です。
資料:リアリズムと防衛を学ぶ:なぜ日本に戦車が必要か?Part2
とくにうっとこの近所には、笑顔をみせながらも着々と世界に覇をとなえようとしている新超大国と、なんでもありの飢えたチンピラ将軍様国がありますからねえ。抑止力になっている大国アメリカも、オバマ路線で内向きの政治が進行すれば、その強面ぶりがどんどん薄れ、存在が頼りなくなって行くことでありましょうからね。いやしかし、ミリ関係のことを書くときは誤解を生じやすいので前置きが必要なのは面倒ですな。
さて、ガキんちょの頃、遺族の家の標識や傷痍軍人の物乞いをつぶさに見、戦争を体験した人々の悲しげな背中を見て育った我々の世代なのではありますが、日本が超加速度的に戦後復興できたのは、皮肉なことに朝鮮戦争が勃発した所以でもありまして、感受性高きおりに見た漫画は「0戦はやと」「紫電改のタカ」はじめ「アニメンタリー決断」などなど戦争モンが多かったんです。少年雑誌の特集記事には「巡洋艦鳥海のすべて」とか「大図解!特殊有翼潜航艇海龍」とかの記事が煽ります。この擦り込みが実に大きかった。当時子供が買えるオモチャといえばプラモデルで大概が兵器のプラモでした。まずは零戦21型あたりから入門し、タミヤのリモコン戦車、ニチモの艦艇シリーズと進み、その後、96艦戦、伊400潜、軽戦車チハ、南部十四年式拳銃などと、どんどんマニアックになっていくのでありました。社会に出てからも小量生産の目玉が飛び出るほど高いレジンモデルなどに後ろ髪を引かれたことがありましたが、安月給なのが幸いして一線を超えずに済みました。
というわけで、目下、日本の内需拡大の最大のターゲットにされているといっても過言でない、戦後生まれの子育てを終わったオッサンらには、よこしまな思想なしに脈々と兵器礼賛の血脈が注入されてしまっておるのであります。これは戦中派の人々にはおそらくない感覚でありましょう。この感覚の歪みについては常々、皮肉なことだなあと思ってきましたけど、もはや世の主流は次代の人たちに推移しつつありますので、我々の世代は密やかにかつ能天気に、図らずも擦り込まれてしまった、ミリ趣味を愉しませていただいてもいいのではなかろうかと考えておるしだいなのでございます。なもんで本件、「兵器のフェロモン」についても今後ちょいちょい言及させていただく所存です。
資料:リアリズムと防衛を学ぶ:なぜ日本に戦車が必要か?Part2