加藤和彦 想ひ出拾い

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黒船
サディスティック・ミカ・バンド
B000GALG9S
享年62歳ですか。鬱の気があったとは知りませんでしたけど、自ら命を絶てる人というのはある意味シアワセな感じがしますな。成功した人ならなおさらで。トシはあちらが十ほど上なんですが、ご実家と言うか出生地がそこそこご近所なもんで、普通の芸能人よりはなんとなくかかわりがあるような気になるお方ではありました。フォークルの「帰って来たヨッパライ」がヒットしたとき、ガキんちょだったあたしは、オモロイ唄や!とモノマネとかして遊んでたんですけど、親連中の立ち話では「あそこのカトーさんの...稲荷の端田さんとこの坊(ぼん)が...」とかささやかれていたのを何となく憶えてます。あたしは極力政治臭を避けて通ってきたタチなので「イムジン河」には当時あまり感心がありませんでしたなあ。

その次は「あの素晴しい愛をもう一度」ですか。中学に入る前後の頃でしたけど、当時のコノ手の青春ものの中では最も好きな曲のひとつだったと思います。その後はミカ・バンドの「黒船」ですな。これはよく聴きました。もっとも、あたしは女性ボーカルのバンドではカルメンマキ&OZが贔屓だったので、それほどミカ・バンドに熱心だったわけではありません。後の桐島かれんや木村カエラの時代はまったく聴いてません。

加藤和彦の作品で、もっともあたしの印象に残っているのは「パパ・ヘミングウエイ」に尽きます。自分でも意外ですけど、あの輝かしい高度経済成長期と自分の感受性最高潮の時期が重なったこともあるんでしょう。雑誌の誌面や街の広告はパステルカラーとトロピカルカラーに彩られ、それはそれはバラ色の未来を想起させてくれた世相でありました。喫茶店が今で言うカフェっぽくなったのは、あの頃ですな。ボズ・スキャッグス、ジャクソン・ブラウン、スパイロ・ジャイラ、大滝詠一、高中正義、鈴木英人、ペンギン、フラミンゴ、文化屋雑貨店。トロピカルリゾートとエスニック、プラスチックと観葉植物の時代。アンニュイが心地良い平穏で能天気な時代。もうあたしが生きている間には戻らないでしょうなあ。あの感覚は。

その後、東京の制作会社に入ってから、ワインのチームが販促誌に加藤和彦や桐島かれんを起用したこともあって、なんとなく身近に感じたこともありましたけど、あたしは直接編集にかかわらなかったので本人と具体的に接することはありませんでした。合掌。
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私は加藤和彦、自死とてもショックです。(きのうは珍しく仕事多忙で書き込めませんでした)私も「帰ってきたヨッパライ」の超・ヒットをリアルタイムで経験してるだけに、あの頃まさに「スリラー」のMJ並に時代の寵児でしたね。あのレコード当時で、280万枚売れたそうです。当時を知る芸能人が、加藤和彦氏はロールスロイスに乗り、回りには美女をはべらせ、雲上人的存在だったと言ってました。そんな日本の音楽史上に革命をもたらした、スーパースター的グループが、近所の端田さんとこの坊(ぼう)やった店主殿は感慨も深いでしょう。でも加藤さんは伏見で生まれて、1歳くらいで鎌倉に移り、東京で育ったみたいですね。たまたま実家の事情とかで龍谷大に入られたみたいですが。やはりあの垢抜けたセンスはどう考えても東京育ちです。天才ミュージシャンでも50歳や60歳になると、曲がり角を迎えるのでしょうか。ユーミンのこの春の最新アルバム「もう一度夢みるだろう」でも一番のノリノリの曲、「黄色いロースロイス」で加藤和彦氏とユーミン、デュエットされています。さとなお氏のブログでそのユーミンが神奈川のコンサートでアンコールで号泣してたとの記事にびっくりしました。あの強気のユーミンが!山下達郎でさえもこの前のコンサートで、ここ5~6年所属レーベルとの人間関係とか回りの状況が最悪で真剣にミュージシャンを辞めようかと悩んでたと言って、びっくりしました。やはり天才でも大変なんですね。唯一強いのは矢沢永吉くらいか。SONYのCMに出まくり、ちゃっかり娘までミュージシャンにして、ビールのCMで競演。還暦アルバムも出して。やはり、実人生ではああいう元ヤンキーとかガテン系の人て強いですね。サディステック・ミカ・バンドの頃、ロンドンで当時、ロキシー・ミュージックの前座で完全にロキシーを食ってたというし。ほんとに日本を代表する天才ミュージシャンの死が悔やまれます。つい最近も木村カエラで、サディステック・カエラバンドをやり、メチャカッコよかったのに。吉岡正晴さんもコメント寄せられています。あの吉田拓郎の「結婚しようよ」も加藤さんのプロディユースで、拓郎が世に出たんですね。知りませんでした。まさに巨星落つです。合掌。
http://www.satonao.com/archives/2009/10/post_2732.html
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