2010年12月アーカイブ

昭和脳

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最近はちまたで目にするものが、おしなべて味気なくなったように感じる。ひとつの原因として、見てビックリするようなモノが少なくなったからじゃないか。これ、CGやコンピュータの高速化によるところが大きいんでしょうな。江戸時代の人が黒船や陸蒸機を見たときには、それは大きなカルチャーショックだったろうけど、いま3Dテレビを見せられたところで、あ、そう。程度の驚きしか生まれない。

たとえば年賀状。ちょいと人を驚かせてやろうかと凝ろうとして、一生懸命アイデアを捻ったとしよう。ひと昔前なら「あの写真、どないして撮ってん!?」てな反響を得られたかもしれないネタでも、いまやデジカメが勝手に作ってくれたりする。アナログ時代は手数をかけて苦労して作った分、それにあたいする賞賛やねぎらいの反応が得られたもんだ。だから手間をかけても作ってやろうという気になった。

広告がつまらなくなったのも、そうだ。ビジュアルスキャンダルやパロディのグラフィックスは、まずはアイデアありきだが、そこに視覚化するまでの苦労や手間賃が加算されて、感動のボリュームをあげていたんだと思う。ナンデモ簡単に作れてしまうのは便利だけど、得られる効果が薄いことも予想できてしまうから、リキをいれて作ろうとは思わなくなる。これが文化度をさげているんじゃないのか?

あたしの昭和脳は、手間のかかっていないものは認めないような頑固なところがあって、アイデアだけだせば、あとはカンタンに作れてしまうようなビジュアルには、いまひとつ反応しない。テレビが白黒からカラー化されたときは、それなりの感動があったけど、あれを実現するには相当の手間がかかったことだろうなとガキながら実感できたからだろうと思う。

その点、自然が創りだす地形やイキモノなんてのは、途方もない時間と手間がかかっているから、大きな感動を与えてくれる。中には感動なんて表現をすると不謹慎な映像もあるんだけどね。


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