旅の写真とスケッチ・紀行
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下北沢酒日記(page1)
―プロレス・スナック STEPPLE HOUSEの落日―


1990(平成2)年8月11日土曜日

K島氏と網御前で呑む。店を出て分かれたが、暑いのでひとりスズナリ横丁へ向かい、プロレス・スナック ステップルハウスへ行く。マスター(T澤利雄)は、にしんばか、けもの(じじばば)に居るらしく姿が見えない。若いの(松葉杖)ほか3人が新日本8・19もしくはUWFのチケットを取りに来ている(マスターは興行のチケット販売代行で小遣を稼いでいる)。ビールが全然冷えていないのでカウンター内に入り冷蔵庫などを物色する。そうこうしている間に、黒豚(T中君・ビデオ企画制作販売)とかY削ちゃん(にしんば店員)とか、黒い大きな帽子の可愛い娘☆とかが来た。マスターもようやく戻ってきた。呑んでいるうちにみんなぐちゃぐちゃになってきて、朝になった。結局、マスターと可愛い娘☆とひとみさんだったかめぐみさんだったか山田詠美似の女の4人が残り、TROUBLE PEACHに呑み直しに行く。可愛い娘☆に映画の割引券を貰った。山形県出身で中野坂上在住、映画の配給関係の仕事をしているらしい。陽が高くなってから下北沢の駅で分かれた。来週の全日・後楽園ホールのチケットを2枚買わされた。


1990年8月18日土曜日

先日買わされたチケットでK島氏と後楽園ホール('90サマーアクションシリーズ)に行く。○小橋―×クロファット、J鶴田・○田上・井上組―三沢・川田・×菊地組、他。興行終了後下北沢に戻り、同氏と陣太鼓(ずんでこ)へ。後ひとりでステップル。黒豚、山田詠美、松葉杖、Y削ちゃん、少年(K林君)、キタロー(出版編集関係)、メギョロ他、珍しく客大勢。マスターご機嫌。試合後の菊地毅選手も来店。彼は都内興行の後にはよく立ち寄る。カウンターに黒豚が入る。志のB(女形)ちゃんも来た。菊地選手と今日の試合の話をする。朝、マスター、黒豚、俺。マスターが、駅前マーケットのバラックおでん屋行きを誘うも誰も相手にせず解散。


1990年8月26日土曜日

シモキタの路上でY削ちゃんと出くわし、ステップルへ行く。黒豚とアシュラ・テンプル(プログレッシブ・ロックバンド)や菊地選手の入場テーマ曲についてなど音楽の話で盛り上がる。少年とキタローとY削ちゃんは大阪のヤクザの話で盛り上がっている。そこに、おやまの志のBちゃんとようわからん女二人組が乱入。結局、朝。マスターとキタローに駅前バラックの川合(河合?)でビールを奢らされる。FMW興行についての話。後、じじばばに寄ったが、すぐ眠くなって帰る。


1990年9月1日土曜日

前日退社後に寄った赤坂・さんた(with A井さん)での酒がかなり残ってシンドイ。しかし夏バテ気味なので、ムリして一歩でステーキを喰ってからステップルへ。前田日明が料理番組に出演したことからメシの話になって、オレの食中毒のときの話などをしていたが、ウルサイ変な小娘(19歳・初顔)が酔ったのかクスリのせいか分からんが、ひとりで騒いでいて険悪な雰囲気になってくる。しかし何故かモテる。そのうちオレに乳を押し付けたりしだしたので、ついに怒る。硬派の黒豚もイカる。キタローも来たが怒ってすぐ帰った。少年、志のBも怒ってギターを弾いて唄いだした。若い男の三人組(バンダナ野郎)とシマちゃん(藤波信者・役者志望)が来る。全日武道館試合後の菊地選手が立ち寄った。試合でかなりダメージがあったようなので酒など呑んで大丈夫なのかと心配していたが、やはりアクシデントで打ち付けたキ○タマの痛みに耐えられなくなりスグ帰った。そのうちキ○ガイ小娘がカウンター内に入ってギャーギャーやりだしたので、ついに我慢も限界に来て、まだ2時なのに店を出る。口直しにレディジェーンへ寄ってバーボン2杯。JJの店の名刺を貰って帰る。3時。胸が悪い。けったくそも悪い。


1990年9月4日火曜日

会社から帰ってNHKのドラマをぼおっと見ていたら、なんだか呑みたくなってきた。ステップルには日本酒がないので部屋にあった「太平山・生モト」の一升瓶をぶらさげて出る。11時。客は黒豚のみ。マスターは駒沢の一番館へ呑みに行っているらしい。いつもプロレスのビデオを流しているが、勝手に黒澤の「隠し砦の三悪人」を入れて見る。サケを呑みながら映画の話をする。2時頃マスターが一番館の客を3人連れて戻ってきた。3時頃帰る。今日は平日。


1990年9月8日土曜日

9時半頃にステップルへ。マスターはまたぞろ駒沢・一番館。店にいたのは黒豚とシマちゃん。先の前田日明の料理番組のレシピ「ギリシャ風おかゆ」を作ってみて喰っている。客は少ない。K木という板前でガードマンだという新顔の男がビール1本で朝までいた。何でも三回目の来店だという。深夜、マスターが戻ってきた。少年と志のB、K端、Y重などがぱらぱらと来て、3時頃、キタローがナイタイ編集者と来る。その後から女ひとりと男二人、これも元白夜書房。アングラ出版系が揃う。T田クンが久しぶりに酩酊状態で乱入。オンナができないと叫んで荒れている。店の糞汚いベンチで少し寝てから帰った。マスター、オレ、キタロー、ナイタイで、週刊プロレスに載ることになっている「ステップルハウス認定ベストバウト」の候補カードの話をしながら朝8時まで呑む。黒豚が自転車でお巡りに捕まるも大事なし。


1990年9月14日金曜日

部屋近くの定食屋アスカでポークソテーを食し、一度帰ってから10時半にステップルへ。マスター一人のみ。今夜は客少なし。で、こないだ来ていた黒い大きな帽子の可愛い娘☆のことを詳しく訊く。名前はM枝さんというらしい。齡は23、4歳。「山形の花屋の三女だぞ、死にそうだぞ(意味不明)」だと。そのうちに客ふたり来る。バズ・ソイヤー(似)、自由ケ丘・動物園のマスターのみ。 マスターが砧の全日合宿所の菊地選手に電話して、今から店に来るようにと勧誘している。いい迷惑だ。マスターがオレにも誘えといって受話器を渡したので、菊地選手がファンだというロックシンガーの白井貴子さんの話をする。白井さんとは以前コパンコパンで会ったとき、S本さんが紹介してくれた。面識は無かったが、大学時代お互い京都でキャンパスが隣り合っていたので当時のローカルな話などをした。菊地選手とそのときの話をしたあと、来なくっていいよと言って電話を切った。4時半になり、マスターに促されてふたりで駅前バラックのおでんや川合へ。ここにはなんとセコいけれどカラオケ設備がある。つごう3曲唄う。結局部屋に戻ったのは朝の7時。午後には参加申込みをしていた「漢字読み書き大会」があったが、二日酔いでどうにもならず欠席。


1990年9月15日土曜日

午前零時。菊地選手と彼の友人(Y内君)、少年。そして、なんとあの可愛い、M枝☆ちゃんが来ているではないか! なんとかお近づきにならんと隣ににじり寄り話すも、残念ながら30分くらい経つと自転車に乗って(中野坂上まで!)帰ってしまった。間近で見るとやっぱり可愛い。激ラブなのか?オレ。マスターによると、明日もお礼に酒を持って来る段取りらしい。いったいどんな恩を着せたのやら。マスターの音頭でカラオケに行く話になったが、全員シカトして一斉に帰る。マスターに800円貸し。明晩も行かねばなるまい、奴の常套手段(集客のための嘘)かもしれないが。

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2002.08.24 rewrite
東京都世田谷区北沢1丁目(Page 1)
words5 1990.Aug〜Dec

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