蒸気機関車と鉄道写真

国鉄山陰本線 斐伊川橋梁の蒸気機関車四重連 客546レ/昭和47年

©studiocave 国鉄山陰本線 斐伊川橋梁のD511+C56108+C57101+D51620 客546レ/1972.8.27

【鉄道むしかえしばなし014】

昭和47年8月27日、山陰本線の米子〜浜田で往復運行された仰天イベント列車であります。この年は「鉄道開業100周年」にあたり鉄道界隈がかなり盛りあがっていたんですけど、本特別運行の名目は「浜田機関区所属のD511号機が動態保存のため梅小路機関区にお輿入れ」するのを記念したものだったようです。

新聞か鉄道誌から情報を得て出かけたものだと思いますけれど、何でも前代未聞の蒸気機関車異形式四重連が実現すると言うハナシ。当初はD511+C551+C56+C57と発表されてたかと。蒸機撮り鉄に目覚めたばかしの中坊のあたしにとって一発で四形式網羅つうのは実にオイシかった。人出の多い撮影地はイヤだったんですが、エイヤっと出張りました。

掲載の写真は朝の9時半頃、出雲市〜直江間に架かる斐伊川橋梁を渡る上り546レを右岸の河川敷から撮影したもの。長い鉄橋ですがネガを調べると2カットしか撮ってません。上の写真は1カット目を拡大トリミングしたもので、下の写真は2カット目のノートリです。親父に借りた単焦点48mmのコニカIIIはフイルム巻上げレバー二回押しのカメラなので、2枚撮るのが精一杯だったんでしょうね。

両写真背景の左岸堤防上にずらっと並ぶ白い点々は全部撮り鉄ちゃん。何とかガーダーで人列を隠そうとしたんですが、このアングルが雲台最頂部で限界…無念ナリ。空には報道のセスナが複数機飛んでました。また川面に黒い点々が4つほど見えますが、これはボートやカヌーを仕立てた剛の撮り鉄ちゃんです。もちろんあたしの側も周囲や堤防上は人人人。写真は無言ですけど、現場は怒号が飛び交う修羅場でした。

©studiocave 国鉄山陰本線 斐伊川橋梁のD511+C56108+C57101+D51620 客546レ/1972.8.271972.8.27撮影 KonicaIII A2.0 ヘキサノン48mm f2/NeopanSS

何ぶん昔の出来事なので、今のとろけ切ったあたしの脳には詳細な運行情報の記憶が残されておりません。なもんで関連情報を検索してみたんですけども結構記事が少なくてしかもあやふやで…とりあえず分かったことに推測を加えて下記(*)に纏めておくことにします。ただし適当なんで間違いの可能性ありです。

*浜田区のD511の動態保存選定による梅小路区移動に伴い、米子鉄道管理局による蒸機四重連牽引のさよならイベント列車が1972年8月26日(土)と27日(日)の二日間に渡って浜田〜米子間を往復運転された(あたしの撮ったのは27日)。牽引機はD511+C56108+C57101+D51620(D51674との記載もアリ)で、浜田〜出雲市間は橋梁強度の関係からD51を除く三重連で、出雲市〜米子間は本務機にD51620を連結した四重連で運行した(引きで撮ったので本務機D51の機番は確認できず)。

*上り列車は546レ、下りは米子〜出雲市間を533レ、出雲市〜浜田間を833レのスジで運行(…とあります。546レと833レは当時通常からD51牽引の客レ(533レは通常DL牽引)でしたから、特別に臨時ダイヤが設定されることもない結構安直仕立てのイベント興行列車だったんだなあと。ならばD51620(D51674)ってのは普段の牽引機では?…と思えるんだけどいかが)。

*本イベントの10日前に梅小路から回送されたC551が出雲市駅で撮影されているので、やはり当初はD511+C551+C56108+C57101の豪華異形式四重連で運行する予定だったのが、C551のトラブル発生によりD51620に置き換えられたものと思われます(C551併結予定という情報は得ていたので、当日D51に置き換えられたのがとても残念だったのをうっすら憶えてます。四重連の往復撮影後に夜の米子機関区に寄ってるんですが、これは多分C551がお目当てだったんですね。罐は出雲市にいたみたいだけど…)。

…以上、ググって分かったことをつらつら書いてみました。誤記が判明したらそのつど訂正します。

さて、復路の四重連下り533レは来待~玉造温泉間で宍道湖をバックにカラーネガで撮りました。後日「鉄道むしかえしばなし059」に掲載する予定です。

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