蒸気機関車と鉄道写真

国鉄播但線 和田山〜竹田のさよならC57三重連 客636レ/昭和47年

©studiocave 国鉄播但線 さよならC57三重連C5795+C57113+C57156 客636レ/1972.9.24

【鉄道むしかえしばなし018】

播但線は昭和47年10月1日ダイヤ改正の前日9月30日をもって無煙化されたんですけど、その蒸機運用最終日の30日(土)と前週の24日(日)に、C57を三重連に仕立てた無煙化記念さよなら列車が和田山〜姫路間で往復運行されました。

三重連運転のスジは両日とも、和田山11:15発の上り普通636レで姫路に13:22着。上りの姫路発は夕刻17時半頃の普通633レで和田山に戻ります。いづれも通常はDD54かDF50が牽引する列車でありました。

あたしが撮影したのは9月24日の上り列車のみ。京都在住の貧家の中坊が時刻表を繰って企てた計画は、京都6:43発敦賀行921レで8:58綾部着。綾部発9:07発の531レに乗換えて福知山9:23着。9:26発の出雲市行721レで和田山着10:16です。これ、DC特急や急行を利用する銭が無いからなんですけど、全部DL牽引の普通客車列車にしてるあたり、当時は鉄分濃かったですね〜。

さて、この旅程では和田山到着後、C57三重連の636レ和田山発車まで一時間しかありません。播但線の撮影地といえば、25‰勾配の生野越えなんでありますが、先回りする列車がないので出張るのはもはや無理。たとえタクシーを奢っても先着の撮り鉄がわんさかでお立ち台に三脚を立てるスペースは到底望めません。

で、和田山駅を降りるや否や県道104号線を竹田方面に走りに走った。背中に和田山発車の汽笛三発が聴こえる頃まで走り続け、播但線と県道がクロスし円山川が寄り添ってくるあたりの田圃の畦道に三脚を据えたという次第であります。まあ若さゆえですが元気ありましたねえ。

やってきたさよならC57三重連は、豊岡区のC5795+C57113+C57156で、集煙装置非装備機ばかりが選抜されてました。さらに野暮な「さよなら記念ヘッドマーク」も無しで、という当局の粋な計らいが嬉しかったんですが、如何せんその配慮も乗り鉄の酷い顔出しで台無しになりにけりでした。

©studiocave 国鉄播但線 さよならC57三重連C5795+C57113+C57156 客636レ/1972.9.24

こちらの写真は通過後の追い撮り。見えてる踏切は「第一岸の下踏切」かな?。今どきの撮り鉄はタチが悪いとよくTVで報道されてますけど、昔は窓も開くしデッキも開放だしモラルもユルかったしで皆さん大胆です。これは乗り鉄のケースだけどほとんど箱乗りの人もいますですな。走行写真を狙う側からすれば舌打ちの連続で、これを最後にサヨナラ列車を撮るのをやめにしました。

ストリートビューで確認すると、いまやこの地点は和田山八鹿道路(北近畿豊岡自動車道)と播但連絡有料道路の2つのコンクリ高架道に囲まれてまして、どちらを向いても白い道路橋が写ります。そういやこの山の上には天空の城たら日本のマチュピチュやらと最近賑やかな「竹田城址」があるんですが、当時はひっそりしてたんでしょうね。道も悪かったんでしょうけど寄っときゃよかったかな。

1972.9.24撮影 KonicaIII A2.0 ヘキサノン48mm f2/NeopanSS

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