ヤドカリと磯の生き物の飼育

02話
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ホンヤドカリの海水魚水槽


 先週末はついに海水魚水槽をセッティングする羽目になってしまった。日本海から持ち帰ったホンヤドカリ用だ。オレにとって海水は初めての経験。ご他聞にもれず我が家もウサギ小屋マンションなのでスペースはない。そんでもって金もない。いまオカヤドカリはデスクボーイという、幅は60cmあるが、高さと奥行きが17cmくらいのウサギ小屋御用達の水槽で飼っている。これを子供用の本棚の上に置いているのだが、同じもので二階建化することを思いついた。急がなければホンヤドカリが昇天してしまうので、自転車で近所のホームセンターへ向かう。

 売り場を覗いてみると、しめしめ、この水槽を安売りしているではないか!さっそく購入するが、店員に付属の水中ポンプが海水に耐えられるかどうか聞く。一応使用可ということらしいが、淡水に比べるとどうしても寿命は短くなるらしい。結局モーターのシャフトが金属かセラミック等の錆びないものかの違い程度らしい。まあ良い、この水槽ならすでにセッティング経験があるので説明書を見ずに済む。

 そのままでは殺風景なのでサンゴ岩をひとつとサンゴ砂2kgを買う。また、帰ると砂洗いが待っていることになるが、しゃあないな。あとはどうやって二階建てにするかだが、フレームなど組んでいる時間も金もない。オカヤドカリのほうは砂だけなので軽いが、ホンヤドカリのこの水槽には海水が入るので25kgくらいの重量になる。こちらが一階だ。まっすぐに積み上げるとメンテナンスが難しくなるのでセットバックに積むことにした。本棚の奥行きは30cm強しかないので、どうしても重なる部分ができてしまう。ライト部分の高さも計算に入れると20cmくらいの足場が必要だ。ホームセンター内を足場になるモノを探して物色する。プラ製の小物入れが目に留った、23×15×17cmくらいのサイズだ、これを2個カゴに放り込んで400円強。ちょっと強度に不安があるが、オカヤドカリのほうならなんとか支えられるだろう。

 家に帰ると、うんざりする砂洗い作業。水槽にサンゴ砂を敷いて、岩を配置。底面濾過にする。余っているエアストーンがあったので、エアレーションもセット。次に人工海水を作る。この人工海水も慣れてくると、だいたいカンで適性比重の量が解ってきて楽しい。むかし川魚屋でアルバイトしていたとき、総菜の量をカンで計れるようになって得意がっていたことがあるが、それと同じような良い気分だ。念のため比重計で確認して水槽に流し込む。

 ポンプその他の動作のチェックをして完成。引越しに適当な大きさの貝殻を見繕って入れ、いよいよホンヤドカリ4匹をプラの虫かごより移す。ライトを点灯してみると、なかなか気分がでているじゃないか。二階にはオカヤドカリが流木にのぼって昼寝しているし。さっそく貝殻を引越しするヤツもいて、興味深く見ていた。

 焚火の炎もそうだが、各個体にいろいろな個性があって、全く飽きない。ヤドカリは表情に愛嬌がある。しばらく見ていると、またオレの悪い虫が疼いてきた。なんとなく情景に物足りなさを感じだしたのだ。折角はじめての海水水槽だ、サカナ入れたい…サカナ入れたい。あかん。サカナ入れるとPhやなんやがいきなりシビアになるではないか。ヤドカリだけなら多少アバウトでもいいのだ。あかんあかん。

 気がつけば再び自転車に乗って、ホームセンターの海水魚水槽の前に立っていた。買ったらアカン、買ったらアカン、としりつつつい、ルリスズメダイ2匹とデバスズメダイ1匹(いずれも1.5cmくらいのカタ)を買ってしまった。いったいどうなる!オレの日常。これでヨメさんとの冷戦関係もますます加速されるに違いないのだ。



←ホンヤドカリの海水水槽
このデスクボーイ水槽(海水)には、ホンヤドカリ3匹のほかにルリスズメダイ2匹とデバスズメダイ1匹が混泳中。採集時4匹いたが1匹は脱皮の失敗であえなく憤死。(2000.11.18撮影)
2000/08/02 (Wed)

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