【鉄道むしかえしばなし006】
28651[福]の牽く貨8151レは越前大野に着くと単8151レとなって勝原の転車台まで方向転換に行きました。柿ヶ島~勝原間にある柿ヶ島トンネルを出た単機ハチロクは、紅葉の名所九頭竜峡の雄大な岩盤を背景に、白煙をたなびかせつつ第二九頭龍川橋梁を渡って再びトンネルへと入ります。勝原駅はもう間近。
全長およそ120mでガーダーとトラスの組み合わせが香ばしいお姿。流路をまたぐ上路ワーレントラスは支間46.8m。この鉄橋、今は鮮やかな赤色に塗装されてるみたいですけど、当時のモスグリーンのほうが景観と調和していて良かったんでないかと思うんですがね。
前年の昭和47年末に勝原〜九頭竜湖駅間(10.2km)が延伸開業したばかり。撮影の合間にDCに乗って終点まで見に行きましたけど、急勾配の長いトンネルばっかしで蒸機にゃちと無理筋の線形です。ハチロクが新線区に入ることはなかったんじゃないかなあ。そして越美北線は5月31日に無煙化されてしまいました。
1973.4.3撮影 minolta SRT101 ロッコール58mm/F1.4 FUJICOLOR-N100