おかやどかりの飼育

14話
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ガジュマルがやってきた


 ゴールデンウィークに砂に潜ってしまったオカヤドカリのヤド六は、その後全く姿を現さない。ちまたはかなり暖かくなってしまっているというのに(というかここ二、三日は30℃の夏日)。前回の記事が1月なので、このままでは半年のブランクになってしまう。
 往年のポップスに「ライオンは寝ている」という曲(わたしも時折カラオケで唄う)がある。それをもじって「ヤドカリは寝ている」とタイトルを付け、ここらで強引に記事をねつ造しとこうとこの原稿を書きだしたら、あらら、なんという偶然。起きてきた。おりしも本日6月4日は、ワールドカップ一次リーグの日本代表初戦のベルギー戦がある。ヤロー、観戦するつもりなのか。
 起きてきたかと思ったらすかさず、大きな貝殻に宿替えした。どうやら脱皮が完了して窮屈になったらしい。またひとまわり大きくなったようである。煮干しを入れてやったら、いそいそと食べている。カルシウムの補充だな。
 となれば作戦変更。脱皮中だと砂を掻き回すのがはばかられたが、出て来たとなると大掃除のチャンスである。一気に掃除と砂洗いを済ませ、買っておいた「ガジュマル」の鉢を水槽内に植え替えすることにした。この作業の模様を、ネタに、てなわけで、記事の続きは明日に持ち越し。あす6月5日は何の日だ? わたし的には「ミッドウエー海戦の日」なのだが、こう答えるヒトは少数だろうなあ。

 サッカーは辛くも引き分け勝ち点1。帝国海軍痛恨の大敗「ミッドウエー海戦の日」に日が変わった。ヤドカリはというと…流木の上で寝ている。まだ寝足らないのか? 

 さて、昨日した作業。
 ヒーターは5月初めにとりだしてある。サンゴ砂を洗い、さらに1kgほど追加した。砂を乾かしている間に、懸案だったガジュマルを水槽内に配置する作業にとりかかった。
 このガジュマル、オカヤドカリ舎の狭いデスクボーイ水槽に納まる小振りなものが、なかなか見つからなかったのだが、5月ごろから近所の東急ハンズの観葉植物コーナーに多数並びだした。スグには買わずに適当なものが現われるのを待っていたら、三巡ほどしたころようやく適当なものが出た。ただし鉢植え物。このままでは鉢の穴から出る水で、サンゴ砂が汚れてしまうので、ハイドロカルチャーに植え替える。もっとも、鉢のままでは水槽に入らない大きさである。ハイドロ容器は料理用のタッパーを代用、狭い水槽のスペースに最適の大きさのものを選んだ。

 と、いうわけで今回は以下、オカヤドカリ舎のガジュマル導入のようすのレポートだ。(あまりヤドカリと関係ないか)


【ガジュマル】学名 Ficus retusa
科名 クワ科
属名 フィカス属(イチジク属)
性状 常緑性高木
用途 小〜大鉢原産地 インド、東南アジア、沖縄
特徴 ベンジャミンゴムと似た植物で、太い幹から小枝を出させた大鉢は風格あり。自生地では樹高20mにもなる高木で、多数の気根を出し垂れ下がった気根は地面に着くと支持根となり、たがいにからみ合って、巨大な幹に見えるようになる。
木の精(キジムナー)が宿り、幸福をもたらすとされ「多幸の樹」とも呼ばれている。
オカヤドカリが好んでかじる。なんでかね?
←(1))17cm幅のデスクボーイ水槽に納まらないので、こじんまりまとまったのを購入。1000円ちょっと。ヌードクロッキーのポーズのような根姿がセクシーじゃないか。
→(2)鉢のままだと底穴からでる水がサンゴ砂を汚すので、ベランダに鉢を持ちだし、ハイドロ化をもくろむ。 ←(3)タッパ容器の底に、根腐れ防止のため、イオン交換樹脂の粉末を薄く敷き詰める。
→(4)イオン交換樹脂の上に、ハイドロボール(小粒)を少し入れて… ←(5)鉢からガジュマルを掘りだして、根に付いた土をおとす。
→(6)土のついた根を水洗い。細い根は30cmくらいの長さがあった。本には細い根は切ってしまう、と書いてあったがなにしろこちらは貧乏性だ。勿体ないのでそのまんまである。 ←(7)タッパの上に、細い根をとぐろのように回して置き、そのうえからハイドロボールを入れて、気根を安定させる。
→(8)いきなり培養液を注ぐ。本によると、水でハイドロに慣らせて新しい根がでてきてから、とあるがなにしろこちらはせっかちだ。ドバドバ。 ←(9)葉が茂っていて、水槽に治まらないので、枝をハサミでパチパチと大胆に剪定。切り口からは木工用ボンドのようなネバ液がでた。さすが、ゴム系。
→(10)ようやく水槽に納まった。タッパの周囲をサンゴ砂で隠して固定。こんないい加減じゃ枯れるかなあ。ま、なんとかなるやろ。ヤドカリは環境変化に驚いてか、左側の豆の木の下から動かない。 ※キャプションを読んでいただくと分かると思うけれど、栽培に関しては極めてアバウト。試みられる方は、ちゃんと専門書にしたがっていただいたほうが無難ですよ。
←(11)ようやく所定の位置にセッティング完了。スペースはギリギリ。ガジュマルの成長が早いか、それともヤドカリのかじるのが早いか。うまくバランスがとれることを祈る。

↑ガジュマルの周囲をとりあえず検分してまわる。
↑ちょっくら、味見でもしてみっかな。
↑お、こりゃイケる!テッペンまで登ってさかんに摘み食い。
↑おやつが常備されたので、この夏は楽しくすごせそうだワ

 最初は流木の陰にかくれていたが、やはり、南国出身のオカヤドカリらしく、ガジュマルに魅かれてそばにやってきた。そそくさと木の根に足をかけ、てっぺんに鎮座すると、さかんに木の皮をハサミで千切っては口に運びだした。一時間ほど摘み食いしたかと思うと、そのまま木の上でお昼寝の態勢。この調子で齧り続けられると、小さなガジュマルは、あっと言う間に丸坊主だが……。


おい!ワールドカップの日本初戦にあわせて砂から出て来たんじゃなかったのか?
 右下、ゴールを決めて喜ぶ鈴木の映像を尻目に水を飲むヤド。↓
2002/06/05 (Wed)

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