ヤドカリと磯の生き物の飼育

32話
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カーリー軍団、大挙進駐!



↑ホンヤドカリの「チビ」。今でもカラダは大きくないが、この水槽に来たときは米粒大だったのだから、
二年間、着実に成長して来たと言って良いだろう。ホンヤドにしては慎重に行動するタイプである。
(08.02.12撮)



 もうすぐまた桜が咲く。あれよあれよの一年だが、その時間速度は年とともにどんどん加速し続けているように感じる。自分が、想像していたよりも早く老いて行き、想定していたよりも早くくたばってしまうのは一向に構わないし、ふうん、こんなものだったのだなあ…と思うばかりだけれど、周りの、わたしより歳上の人たちは、もっと先にもっと高齢になって亡くなってしまうのが普通なんだと考えると、そこではじめてぞっとしたりする。そんなことをぼんやりと考えるのが特別なことでもなくなった年の、とある春が、またやって来るということだ。

 そういう年頃になったせいか、今までよりも、なんだかぼんやりした眼で海のヤドカリたちの水槽を眺めるようになった。ぼんやりした眼で眺めるデスクボーイ水槽に日々の細かな変化は感じ取れない。しかしそこに囚われている生き物たちは、その救いようもないほど狭く劣悪な閉鎖環境の中で、ほんの小さな変化にも身ぶるいしながら、しっかり一日一日を耐え暮らしているはずだ。彼らのここでの時間は、最近のわたしを過ぎてゆく時間とは全く反対に、延々忍耐の続く遅い遅い時の刻みなのではないだろうか。それだけに、彼らへのケアはぼんやりというわけにはいかない。

 二年前の春、南紀白浜臨海の磯で暮らしていたら不覚にも網で掬われた連中である。遠路をこのたった12リットルの小さな小さなガラスの箱に拉致されて来て、時々なぜか目の前に流れてくる餌を捕まえては舌鼓を打ち、注意深く端まで行ってみたり岩陰に隠れてみたりしながら、恐ろしくて長い長い一日を過ごし、また次の日を迎えることを繰り返して2年。この元大海の住人たちの過ごしてきた時間は、それこそ遠大なもののような気がする。狭い狭い世界の中ではあるが、彼らの時計はゆっくりゆっくり回っているのだろう。一匹、また一匹と脱落してゆくたび、なんだか申し訳ない気持ちにもなるけれど、そのしたたかさと強さには敬意を表したくもある。

 さてその海ヤド水槽。最近は月に1〜2回の海水換えと日々の餌やり、主要メンバーの生死の確認をするだけで、もはや各々の様子を注意深く見ることはあまりしなくなった。前回、磯採集に行ったのが2006年の4月で、その時水槽に加えられた生き物や海水のほかには、もうまるまる二年の間、外部から入った生物は無いはずだ。水道水と人工海水の粉末と、あとは餌だけ。冷凍されたシーフード片、塩蔵ワカメ。活アサリ。(ん?、塩蔵ワカメ活アサリ。あ、こいつらにしがみついて何者かが紛れ込んでくる可能性はゼロじゃないなあ)まあ疑いだせば容疑者は出てくるけれど、いちおうこの小さな海水入りの容器は自然界から隔離されているはずなのだ。そんな放ったらかしの水槽だが、あら不思議、それでも異変は起きる。



遂に海のヤドカリは「チビ」だけに。
↑不相応にでかい貝殻ばかりを選びながら、ドッタンバッタンと
毎日元気に水槽を闊歩していたイソヨコ君であったが、
2月20日お昼、イキナリ貝殻から飛びだして横死していた。
その日の朝にも宿替えをしていたばかりで、弱った気配はなく、
全くの突然死としか言い様がないが、海水がかなり傷んで来ていたのは確か。
イソヨコバサミはすぐ大きく育つが二年のカベを越えるのはなかなか難しく、
急にコロリと死んでしまうことが多い。はたして寿命なのか?
この個体もウチの水槽のセオリー通りになって過去帳入り。合掌。
(08.02.12撮)

↑そうしてヤドカリ組の生き残り勝利者賞の栄冠は、
晴れてホンヤドカリの「チビ」の手に。在1年11ヵ月。
もはや伴侶も同類もいないけれど、地道にせいぜい長生きしておくれ。
一応ココ、「海ヤド水槽」ちゅう名前なんだし。アンタだけが頼りです。
(08.03.08撮)



 そしてある日突然、思わぬニューフェースと出くわすこととなる。いや、本当はずっと前から、その場所に暮らしていたのかもしれない。こちらの観察眼がその姿を捉えられなかっただけかもしれないし、今まで一度も砂粒の間から顔を出したことがなかっただけなのかもしれないが、それはそれだ。しかし二年間も隔離されている環境に目新しい生き物がふいに湧いてくるという不思議は、海の生物の、フトコロ深い多様性を見せつけられているようで、日常の緩んだ気持ちがキュッと引き締められることとなる。

 まあ生命の多様性を言いだせば、陸の、土壌に棲む微生物や昆虫たちの多様性もそうだ。確かにオカヤドカリの脱皮床にもダニやゴキブリや甲虫などの虫は湧いてくるし、淡水魚の金魚の水槽にもスネールなどが混入して来て増える。なにより、ウチの金魚どもがずっと苦しめられ死に至らされているのは、細菌やウイルスなどの微生物の仕業で、こいつらもちゃんとイキモノではある。とはいうものの、海水の持つ多様性とパワーには全然かなわないだろう。そのことを思い知らせるように今回、突然爆発的に増殖したのが、人呼んで水槽の厄介者(らしい)、カーリーことセイタカイソギンチャクである。

 実は連中、かなり前からこの水槽の中で暮らしてはいた。ライブロックの窪みなんかに二三匹くらいずつ身を寄せてふらふら触手を伸ばしていたのである。はっきり確認したのは金魚の段平の手術をした去年(2007年)の初夏。助っ人にお招きしたプアマリナ館長に、この水槽のカーリーの存在を指摘していただいたので、よく覚えている。その時からわたしは、このポリプのようなイキモノを、なんやわからん有象無象ではなく一つのイキモノの種としてアタマに住民登録したわけだが、その後も海綿や青髭苔と同じように邪険な扱いのままだった。

 それが急に増えだしたのはいつ頃からだろう。前回更新時には、さほどの数ではなかったから、この二三ヶ月のことに違いない。その間の目立った環境の変化と言えば、2月にアマオブネガイとイソヨコバサミが死んだことくらいだが、こいつらがカーリーを捕食して数の調整をしていたとは思えないし、水温もおおむねずっと一定だから、一体どうした変化によるものか。何がバランスを変化させたのか。ちまたでは嫌われるこの増殖だが、珊瑚も魚もいないウチの水槽では「まあいいか」である。今のところ他の生物が弱った様子も無いし、メンテの時に手を刺された覚えも無いし、なによりこいつらもイキモノには違いないし。増えすぎて見苦しい分は、海水換えのたびに間引きしながら、しばらく観察しよう。いやいや海はやっぱり面白いなあ。



↑【気怠い或る秋の午後】
チビ「ねえ二階のイソヨコ兄さん。なんや飼い主のおっさん不景気らしいて、ここも長いこと放ったらかしのままやな」
イソ「そんなもん今に始まったことやあらへんがな。ま、これも運命なんやさかいマンマ喰えるだけで良しとしとこう」
チビ「もう二年近くも追加採集なしや。かといってこの水漏れ水槽を買い替える気配も皆無やし」
イソ「ま、そらワシも種は残したいで嫁はんの顔くらいは見たいとも思うけど、また強面が入ってきよるのも難儀やさかいなあ」
チビ「また毎日逃げ回って暮らすのもせわしないから、今の面子でいいか。でも新しい貝殻くらいは捕ってきて欲しいな」
イソ「ワシなんか宿六のお古ばっかりやで。南国毛唐風味のごっついのんばっかりや」
チビ「そんなんばっかり選んで入ってるくせに…」
(07.11.08撮)


さて、ウニどん・お吟婆はどうしてる?
↑ウニどんもいつも通りにいます。
元気なのか機嫌がどうなのかなんてことは、さっぱり分かりません。
でも餌を与えるとしっかり掴んで離さないところを見ると
たぶん健康なのでありましょう。
いつも水槽奥の暗い所にいるので、開放スローのシャッターを切ると、
このように赤っぽく写ってしまいますが、
実際は濃い紫色のカラダに見えています。
(07.11.27撮)

↑昨年は散々ご心配をおかけしましたお銀婆も、息災のようです。
たまのヘンな行動にも、飼い主のおっさんは騙されなくなりました。
あんさんの「しぶとさ」につきましては、よ〜く承りましたです。
(08.03.08撮)


←ヒメイソギンチャクのお吟婆さんも、はや来宅2年が間近。秋から春にかけては、ヒーターによって水温が比較的安定するせいか、蕾んだり、溶けたり、弱っているような様子は見られなかった。食欲も旺盛で、シーフード片をピンセットから引ったくって積極的に食べている。
(08.01.01撮)
←時折、少しずつ動いて活着する場所を変えているが、岩を跨いで移動することはなかった。触手の形状も、以前のように七変化することはなく、写真のような感じのまま、おおむね安定。
(08.02.12撮)
←はっきりと現場を押さえることはできなかったが、前回記事の産卵から現在までの間に、最低2回は産卵をしたような形跡があった。触手の中に卵の粒が詰まっているのが確認できたり、サンゴ岩に鯛の子似(煮じゃない)が散乱しているのを見かけたりしたからだ。しかしあいかわらず幼体の存在は確認できていない。今回のカーリー大増殖、ひょっとして吟婆の再三のタマゴぶち撒けが何か影響しているのではなかろうかとも思うのだが…カラダの大小はあれど、いちおうお仲間なんだし。ひょっとしてあいつら、吟婆の子達じゃあんめえな。
(08.03.08撮)
←ムラサキウニのウニどん。動かないときは、どっしり長時間同じ場所に腰を据えているのだけれど、急に落ち着き無くウロウロし始めることがある。いったん動き始めると数時間は動き続け、そこらじゅうに棘を落としまくって回るのだが、それが腹が減ったからなのか、光の刺激が強すぎる時なのか、海水の環境が変化した時なのか、他の生物のちょっかいを受けてなのか、理由を知りたいと思って見ているのだが、キッカケが何であるかはいまだに掴めていない。ムラサキウニの産卵期は7〜8月。昨年は何も起きなかったが、今年はどうか。そして不謹慎だが、冷凍シーフードを主食にしてるウニってのは一体どんな味がするのだろうか、興味あるぞ、ウニどん。
(08.03.08撮)


↑しかしウニって、ホントに完成されたカラダをしてると思うね。
カラダは半球体の殻だから構造上強度は抜群だし放射状の棘で覆われているから防御は全方位カンペキ。
ウニどんはムラサキウニなので無毒だが、ガンガゼやラッパウニやイイジマフクロウニなどの強面連中になると、
さらに強烈なタンパク毒で武装しているわけだから、まさに「雲丹に金棒」である。
無数の吸盤付き管足はフレキな万能マジックハンド。物を掴んで移動させることもできるし、食べ物を口に運ぶのだってカンタン。
移動も意外に素早くどんな悪路も踏破可能。サスペンション性能もばっちりでキャタピラーよりスマートで合理的。
腹側に口があって背側に肛門があるから、消化器官も一流(なにが?)の配置である。
ほんに完璧なつくりだと思うが、いかんせんそれでもヒトには喰われちゃうのね、美味いから。
さぞかし無念だろうなあ。
(08.03.08撮)


その他のレギュラーメンバー近況
↑平成20年元日、珍しく塒から這いだしてきた、
イボニシの「アンダーテイカー」。
5月で来宅4年、貝の長さは5cmに迫る堂々の体躯である。
(08.01.01撮)

↑こちらはクリフレイシガイの「ハンニバル」〈中央)
アンダーテイカーとは同輩だが、大きさにはずいぶん差がついた。
貝の長さは4cmに届かず、かえって縮んできたくらいだ。
(08.03.06撮)

↑ガラスの苔掃除にいそしむアマオブネガイ(AかBかは不明)。
このときはお尻にキクスズメを背負っていた。
11月のこの時点では2匹とも元気に健在だったが、
2月になって弱ったBが脱落。現在はA一匹のみが在住。
(07.11.08撮)




カーリー軍団、増員中
↑年明けぐらいからだと思うが、イキナリ、カーリー(セイタカイソギンチャク)軍団が増殖をはじめ、大挙駐屯中。
このLRにも一個師団はいるなあ。ケヤリ君の周辺にも無数に棲息している。
(08.03.06撮)


←元日のチビの写真だが、左下のサンゴ砂にカーリーが写っている。底砂にまで進出しているということは、この時点ですでに増え始めていたということである。今までもライブロックやサンゴ岩にちらちら付着しているのは確認していたのだが、こんなに爆発的に増えたことはなかった。増殖のキッカケは何かと考えてみるけれど、この時期には住人の変動も、水温の変化もなく、ちょっと原因が思いつかない。
(08.01.01撮)
←カーリーの素性をネットで調べてみた。おおむね「水槽の厄介者」として悪名が高い。「カーリー」という渾名は、別のイソギンチャクの種名を誤用されたのが、そのまま広まってしまったらしい。本名はAiptasia。英名がGlassAnemone、なかなかエレガントじゃあないか。そして和名はセイタカイソギンチャクと。確かに胴長だが、グラスアネモネのほうが気分でてますな。でもちまたに紹介されている写真と比較すると、ウチのは小柄で華奢だし、無色で透き通っている。無色なのは褐虫藻が抜けているせいなのか。
(08.03.08撮)
←チビの足元にもワンサカと繁り、迷惑そうである。まあセイタカイソギンチャクと言っても、沢山種類があるのだろうから、ウチの奴等の悪さの程度がいかがなものかはわからない。富栄養化した海水中での繁殖力は相当旺盛で、破片からでも増殖するらしく駆除の困難さはピカ一。強い刺胞毒を持つとあるが、刺された憶えはない。他の生物と共存できるのなら、ウチの場合は別に居てくれてもオーケイなんだが、あまりに数が多いのも見苦しい。で、メンテの度にちゃっちゃとブラシで落としてサイフォンで吸い取ることにした。なに、増えたらまたやるさ。
(08.03.08撮)

↑まさに、グラスアネモネとはよく言ったもんだ。
タンカレーやスミノフを冷凍室から出して、たらりと注ぎたい気分。
なかなかおしゃれなこの胴体の高さはだいたい12〜15mmほど。
(08.03.06撮)


←調子に乗ってガラス面にまで進出してくる輩が出る始末に。ウチのメンバーでだれか喰うやつはおらんのか。こいつらをペパーミントシュリンプやヤマトワグウミウシが好んで捕食するという記述を見た。わたしは捕食生物の食事を眺めるのが相当好きなほうだから、ちょっと入れてみたい気はするが、テキを食い尽くしたあとの連中の憐れも見てきているので、やめとこう。なあイボニシ君。
(08.03.06撮)
←緑藻類と一緒にライブロックに付いて、透明な触手をゆらゆらさせているカーリーは、まあ綺麗だといえなくもない。ヤマノテお嬢のカーリーですな。しかし、スラムのカーリーだって居るんですよ。水槽の隅っこにゴテゴテ汚らしく密集している連中が。まあ、こちらはハッキリ厄介者の佇まいをしてるから、即駆除しなけりゃイカンという気になる。同じ生き物でも育ちの違いでこれだけ印象が変わるもんす。ヒトも同じね。
(08.03.08撮)


↑このライブロックにはケヤリ君がご在宅なので、水道やお湯でゴシゴシ洗うわけにはいかない。
なので髭苔も生えて良い雰囲気だ。ソレ幸いと目をつけたカーリー連中が大挙入居し、わが物顔で暮らし始めた。
最初はニコニコ見ていたけれど、だんだんその厚顔ぶりに腹が立ってきた。
驚かせてケヤリ君には悪かったが、翌日とうとう歯ブラシでゴシゴシとやっちゃいましたとさ。
左上奥から、お吟婆、ハンニバル。LRにはケヤリ君とカーリー軍団。右下奥にチビ。結構みんな写ってるなあ。
(08.03.06撮)


ケヤリムシの仲間だが…
↑周りをカーリーが埋め尽くしても、おっさんに青髭苔を刈り取られても
狼狽えることなく同じ一穴に入居し続けている根性のあるヤツである。
さっと引っ込んでしまうから特別に専用餌を与えたこともない。
最初に見かけてから3年は経っているはずだが、
ゴカイってそんなに長生きするものなのか?
この個体の鰓冠の直径は20mm強。
どうやら他のライブロックにも似たようなのがいるみたいだが、
そちらは鰓冠を落としてしまっていて棲管だけなので観察が困難だ。
(08.03.08撮)


←慌てて引っ込んだ状態の玄関部分(棲管の先っぽ)のアップ。今までこいつを便宜上ケヤリムシ(の仲間)と呼んで来たけれど、一般的なケヤリムシは色も赤くてもっと派手だし、鰓冠も多重になっているのがポピュラー。カンザシゴカイも傘が三重やら五重になったような鰓冠をしているものが多い。この棲管が粘液でできているものをケヤリムシ、硬い石灰質で出来ているものをカンザシゴカイと呼び分けるというが、これはどっちだろう。ネットの画像を巡ってみたが、ウチのと同じような柄のヤツには出会えずじまい。はてコイツをケヤリムシと呼んでもいいものか。ま、語源の「毛槍」からすれば、江戸情緒たっぷりの色味と柄の個体であるから、そう呼ばれる資格はありそうだな。
(08.03.08・以下4枚同日撮影)
←レイシガイの「ハンニバル博士」。日夜捕食のためのパトロールに余念が無いが、耄碌してきたとみえ、餌のある場所に到達するまでにずいぶん遠回りするようになって久しい。しかし結局は必ずかぶりついているから、粘り強い性格だと言えよう。
←水槽内にハンニバルが食べられる生体はもういないけれど、好物の活アサリやシジミは滅多に投入されることがない(飼い主はいつも喰ってしまってから思いだす)ので、仕方なくペレットや冷凍シーフード片を食べて凌いでいるが、栄養が慢性的に不足しているようで、大抵はしょぼくれている。写真はイカ片〈左の白いもの)に辿り着いたハンニバル。
←イボニシの「アンダーテイカー」はこの場所を定位置と決めている。メンテの折々に水槽内の岩の位置を変えたりしてみるのだが、どこに動かしても、すぐにこの岩の窪みに戻ってくるのが不思議だ。一体どの器官を使ってこの場所を判別しているのだろうか。やっぱり目かな。


↑ホンヤドカリの「チビ」はいつも物陰に隠れている。
岩の根方のサンゴ砂にちょっとした窪みを作って、カラダを嵌め込んだりもしている。
なんだかカニの連中みたいなことをするヤドカリだ。
もっとも、そういう臆病で慎重な性格でもって、最後の一匹となる現在まで生き伸びて来たのだろう。
(08.03.08撮)



人別帳&過去帳
↑「おい!前回、こんなところにオイラを載せたもんだから、
本当に死んじまったじゃないか。全く冗談もいい加減にしてくれよな」
(07.10.10撮)

住人覚え書/2008.03.21現在

●先住者(2004.7.18採集)水槽在住3年8カ月
・ハンニバル(クリフレイシガイ)
・アンダーテイカー(C型イボニシ)
・ゴカイ類:大小各種無数(採集・混入日不明/どう代替わりしたかも不明)
 ↑「ケヤリの仲間君」もこちらに含む

●06年春入居者(2006.4.18採集)水槽在住1年11カ月
・ホンヤドカリ:1(チビ)
・ヒメイソギンチャク:1(お吟婆)
・ムラサキウニ:1(ウニどん)
・アマオブネガイ:1(アマオブネA)

●いつ混入および発生したかわからん入居者
・カーリー軍団:無限(セイタカイソギンチャク?)

●過去帳(2007.10.26以降/確認できたもののみ)
・没 「アマオブネB」 アマオブネガイ(08.2.10頃没・在住1年10ヵ月)
・没 「名無しのイソヨコ君」 イソヨコバサミ(08.2.20没・在住1年10ヵ月)



↑チビお食事中。貝柱の微塵切りを摘む。
現在、海ヤド水槽唯一のヤドカリである。
(07.11.08撮)


↓行水にやってきたオカヤドのヤド六を見上げるチビ。
「デカいカラダでわが物顔に暴れるから迷惑だなあ。はよ帰れ!」
(08.03.08撮)
2008/03/21 (Fri)

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