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文庫本読書倶楽部
87
小説平将門(全一冊)

小説平将門 87 小説平将門(全一冊)

童門冬二 著
集英社文庫
歴史小説

投稿人:hide さん ☆ 02.11.07
コメント:小説ってむずかしいですね。


 新皇と称し、関東を暴れ回った「平将門」を描いた小説は、海音寺潮五郎氏の作品が文庫絶版になっている為、この作品が出るとすぐに買い求めました。読後感は・・・。

 人物評伝が得意で、講演会等もなさっている作者ですが、小説はちょっと・・・という感じです。歴史・時代小説は、大衆文学として大変人気のある分野ですから、生半可なものは通用しない。名前だけではダメです。
 京の都で、摂政の屋敷に年賀の挨拶に来る人々を、整理する役目を担った将門が、政治の縮図を見る思いで見つめている・・・って感じの出だしは「おっ、なかなかいいぞ。」と思いました。でもその後の描写はあまりピンとこない。絵として見えてこない感じがする。きっと資料が乏しいのでしょう。その乏しい資料の中、あんなに部厚い作品にしてしまうなんて。凄いというかヒドイというか。正直いって、書かれているいる内容は短編小説で事足りるのでは。読んだ後に空しさが残りました。(こんな書評を、購入した『es-books』に送ったら見事にボツになりました。すこし恐いものを感じました。)


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