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駅弁当包装紙14 旧国鉄 北陸本線 金沢駅 幕の内弁当(250円)
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1973(昭48)年4月1日
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国鉄構内営業中央会会員金沢駅構内営業者「大友楼」の幕の内弁当掛紙、250円ナリ。当時幕の内は300〜400円が相場。この250円というのは、かなりリーズナブルな値段であった。貧乏旅行のわたくしめは、これに喜んだのだろう。前日の3月31日にも同じ幕の内を購入しており、この掛紙は二日続きで2枚残っている〈笑)。金沢は七尾線・能登線への起点だから、ここで腹ごしらえをしたのだろう。この時期の北陸、駅舎の軒下で眠るにはチト寒さが応えるので、能登線に入り、宇出津のユースホステルに泊まったように記憶している。
「大友楼」は現在でも金沢駅で営業している。幕の内弁当は650円〜だそうな。しかし主力は工夫を凝らした豪華弁当で、おおむね900円から1100円というところのようだ。会社概要によると、創業天保元年、加賀前田藩の御膳所を勤め、料亭部門の歴史は170有余年だそうで、弁当部門は1898年北陸線金沢駅開業と同時に始めて100年余という、老舗であります。現在販売されている「百万石弁当/900円」の掛紙には、黒字楕円に白ヌキの社名マークが配されており、この部分のみ本掛紙と同じデザインとなっている。
さて、本掛紙であるが、当時お決まりの「DISCOVER→JAPAN/美しい日本と私」のロゴ入り。真紅のベタ地にシアンの縁取りというハデな色使いに、金沢の郷土玩具がキリヌキカラー写真で12個配置されて、おのおのにキャプションが付いている。「金沢の郷土玩具」のタイトル文字から左回りに「鯛車」「千両牛」「加賀まとい」「天神」「子守起き上り」「加賀獅子頭」「福良雀」「子供」ん?こども。ま、いいか「兎」「米食いねずみ」「毛槍奴」「久美起き上り」の12品である。おしむらくは写真画質がいまいちなのと、バックの赤に圧倒されて、細部がよく解らないことであるが、こういう郷土の民芸品などを観賞しながら弁当を遣うのも一興ではある。この際、新聞雑誌を買いそびれた人のために、カタログ雑誌のような掛紙にしてしまうのはどうか。 |
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2003.10.07
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