高度経済成長期、三波春夫の「世界の国からこんにちは」の余韻も醒めやらぬころ、国鉄のキャンペーン『DISCOVER→JAPAN』が若者の旅心を挑発した。折しも国鉄の近代化合理化で全国の路線から蒸気機関車が消えつつあったことと重なり、空前の激安国内旅行ブームとなった。ノーブラタンクトップにボロパンツのおねえさんが、駅舎の軒下でザコ寝していたのだ!中学から高校にかけて管理人は、蒸気機関車と「旅情?」なるものを求めて、全国の辺境を線路伝いに旅することとなった。当時「青春18きっぷ」はない。しかし「ワイド周遊券」があった。ちなみに「北海道ワイド」は20日間乗放題で学割8900円だった(京都発着)。 |
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こちらのコンテンツは祖父のコレクションである。明治29年生まれの祖父は、昭和45年に亡くなったが、若い時分から旅好きで全国津々浦々の温泉、名所に旅したようである。没後、祖父の書棚から膨大な量の「絵ハガキ」や「観光案内」が見つかった。小学生だった管理人は、当時の日本の怪しげな風景の虜になり、こっそり手元にファイルした。しかし、しかしだ。なにせ昭和初めから戦争を挟んで30年頃までのブツである。本人に訊くすべもなく日記が残っているわけでもない。考証しようとするとタイヘンな調査が必要になる。それで当欄の開設をためらっていたのだが、ええいままよ、だ。テキトーに並べるだけ並べといてデタラメな解説でお茶を濁す。 |
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