|
そろそろ冬の気配が濃厚になってきた。朝の外気温は10℃くらいまで下がるようになったので、爬虫類用の防滴形ストーンヒーター(前回の記事参照)の電源をオンにした。水槽のフタはアルミのパンチ板のままにしてある。このヒーターは温度の調節ができないので、これ以上の保温はガラス蓋をして暖かみが逃げないようにするしかない。この手は厳冬期のために残しておく。それでも照明を点灯しておくと、20〜22℃くらいには保てる。
ヒーター、照明、ガラス蓋を併用すると、室内では厳冬期でも20℃くらいの温度はキープできる。夜、照明を消すと16℃くらいまで下がってしまうのだが、過去の2年間はこれでなんとか冬を越せた。ひとつ問題になるのはガラスの蓋(もちろん密閉ではない)をすると、水槽内の水分がガラス面を曇らせてしまい、内部が見えなくなることだ。かといってヤドカリは鰓呼吸をしているから乾燥は禁物。ヒーターの熱が水分を蒸発させてしまうので、水の補給は十分にしなければならない。しかし、中が見えない水槽ほど意味のないものはない。だいたいヤドカリが見えないとつまらないではないか。それでときどきガラス蓋をはずして曇りをとるのだが、一気に温度が下がる。これが、ジレンマ。
水槽内が蒸れると不潔になる。ちいさな羽虫などが発生し、餌も悪くなりやすい。それに、どうやらオカヤドカリも「蒸す」のは、あまり気持ちが良くないようだ。寒いにもかかわらず砂地をはなれ、流木の上部にしがみついたまま引っ込んでいる。憂鬱なのか?
さらに寒さが厳しくなると、「こりゃたまらん」とストーンヒーターのうえに降りてくる。この上にジカに乗って貝殻に引っ込んでいる。人間がストーブに身を寄せている感じか。表面はせいぜい40℃強にしかならないのだが、この上に立ち止まるとき、対角線の脚を交互に上げるのが面白い。「熱チ、チチ」と接地部分を換えているのかなあ。テレビのドキュメンタリーで観た、同じようなことをしている砂漠のトカゲの映像を思いだした。
そして最後にはヒーターにほど近い場所の砂地に潜って、ご冬眠?ということになる。そうなってしまえば、ガラスが曇ってしまってもオーケーだ。だって、どうせヤドカリの姿は見られないのだから。餌も悪くなるので全部取りだしてしまう。こちらは、温度のチェックと乾燥しきらないように水分を補給しながら、次回のお出ましを待つのみとなる。
|
|
↑ちょっといたずら。許せ! 寒さが厳しくなってくるとさすがに動きが鈍くなってくる。そのうえ砂に潜っているので、観察できるチャンスは少ない。本格的な寒さになる前に、カラダ各部をチェックだ。 |
|
|
|