金魚と淡水魚の飼育
46話
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トメ子、逝く 〜四代目の誕生〜

↑人一倍食い意地の張っているトメ子の食欲がなくなって数日たった。
体のバランスはなんとか保っているが、じっとしたままだ。(05.10.07撮)


 ズボラをこいていたら半年も経ってしまった。いや、9月にも10月にも少し書きかけたのだけれど、途中でメゲてしまったのだ。どうにも文章が書けなくなるときが、ちょいちょいある。その筋素人なもんで、お許しあれ。まあ何かコトが起きたときは、そのつど「金ヤド板」でご報告してきたのだが、あそこに書いちまうと本編の更新をさぼりがちになっていけませんな。その間に末娘のトメ子が死んじまったというのにね。

 話を半年前に遡れば…そうそう、6月初旬にパワーフィルターを増設したのだった。テトラのEX120を底面濾過オンリーにセットし、エーハイムエコ2233をストレーナー無しの糞吸い込み専用にして回してきた。週に2〜3回行なってきた水換えは、週1〜2回に周期が延び、水カビの発生も抑えられたのだが、永らく水質が安定せず、白濁や茶ゴケ発生に悩まされ続けた。そんなわけで菌魚どもの体調も一進一退、三歩進んで二歩下がるを繰り返すばかり。もちろん放置していたわけではなく、思いつく手だてはたびたび打ってきたのだが、新フィルターを追加して、「わーい濾過システム強化、万歳!」とはならなかった。生き物の飼育は甘くない。甘くないよ〜。

 EX120の吐き出す水流が強すぎるので、シャワーパイプを継ぎ足してL字形に延長した。当初外していたサブフィルターのミニゴン2を一台だけ復活させたり、大磯を10kgほど追加したりもし、硝酸塩対策に「デニマックス」を埋めてみたりもした。ヨウ素イオン樹脂抗菌剤の「アイオマックペレット」も2〜3か月おきに定期交換している。水カビ発生は治まり、水換え頻度は減ったものの、糞取り専用機のエコ2233は、饂飩糞をまるごと吸い込まねばならぬ宿命ゆえのストレーナー無しだ。金魚どもが食いちぎった水草や、口に入れてペッ!と吐き出す大磯砂などもどんどん吸い込むので、饂飩糞と絡まって詰り、週一のメンテは欠かせなくなった。結局、水槽前でゴソゴソやる回数は減りゃしなかったのだ。

 なんだかんだとやりつつ、夏を迎えても水質のバランスは安定せず、あいかわらずの白濁気味である。光量を増やそうにも、夏、これ以上の水温の上昇を考えると二の足を踏む。どうもEX120の瀘材が上手く働いていないようなので、メンテを行なったが、なにせ容量12リットルの図体だ。腰がアキレス腱(ヘンな表現だな)のわたしにとっては、これのメンテは大変な危険を伴うのである。このパワーフィルター、お値段相応の安普請なので、4つある瀘材コンテナ同士が互いに接合できる構造になっていない。重くて本体を手元に引っぱり出せないので、手を突っ込み、腰をかばいながらコンテナを上から一つずつ取りだして洗い場へ運ぶのだが、デカいのでバケツ口径にも洗面台にも納まらず、周りはビショ濡れ。プラ瀘材は勝手にバラバラに浮くし扱いにくいのなんの。収納するときもしかりだ。初回メンテで懲りて、その後は水換え用ポンプでタンク内の水を抜いてからメンテするようになった。この順に載せるだけのコンテナは、繋ぐことができるように改善していただきたい。でもまあ、改良型が出ても買い替える予算がないから別にいいけどね。

 なんとか夏場を乗り切ったものの、ウチの住人の中の最重要問題菌魚「オヤジJR」は、ますますボロボロに。フィルター増設で、白濁した目玉もクリヤーになるかと期待したが、なんの、どんどん真っ白けになる一方。皮膚もカサカサ、鰭の簀もボコボコ空いてゆくばかり。おのずと、オヤジJRの体調を基準にして対処を講じることになるのだが、見掛けとは裏腹にまたコイツが元気なのだ。段平と一緒にオス二匹で年中サカっているもんだから、飼育水の白濁も、放精によるものなのか水質悪化しているのか判断に迷うような始末。なもんで、最健康優良児の「トメ子」に病の魔の手が伸びてきているのにトンと気付かなかった。




↑9月頃の様子。飼育水のバランスはまだ安定せず、白濁などに四苦八苦。
あいかわらずオヤジJRはボロボロ。しかしトメは元気だったのだが…。
左奥オヤジJR(♂)尻はジャンボ(♀)トメ子(♀)手前右は段平(♂)(05.09.11撮)


トメの容体について「金ヤド板」に報告したログを再録してみると…

 トメ(金魚)がピンチ! 2005/10/06/14:20
 わが菌魚水槽の健康優良児、トメの体調が急激に悪化している。
 他の不健康菌魚3匹はピンピンしているのに、この二三日、トメだけの活性がドン!と落ちてしまった。カラダにも異常はなく、一見、弱っているのが全く分からないが、餌をとるのもままならず、フラフラである。水質も良好だし、病気の兆候もなく、対処の仕様がないので困った。まだ体のバランスは保っていて、浮きも着底もしていないが、風船のように揺られているだけで、他の金魚に接触されてもなされるがままである。
 ここ数日の気温低下のせいかと、とりあえず急遽ヒーターを設置し少量の換水をし、しばらくそっとしておき様子を見るしかないか、と思ってたら、こんな時に限って、段平とオヤジJRがサカリ出しやがった。フラフラのトメを突つく突つく。まったくあいつら!ビーチボールじゃないっての。みんながデカくなりすぎているので、もはやセパレータで分けるほど水槽容積に余裕がない。よしんば設置しても元気な3匹の体当たりに吸盤が絶えられないだろう。どうしたもんかのう。この2日くらいがヤマだなあ。

 トメ(金魚)がピンチ!2 2005/10/07/03:07
 深夜になったが、トメの状態に変化なし。まだフラフラ漂っているばかり。
 しかし、メガネ外して顔を近づけ、よ〜く見れば、どうやら悪食による消化不良+ガス病のようだ。ヒレに3粒ほど気泡がみえるし、目玉も若干膨張している。まあ飼い主の老眼が進むと金魚もどえらい迷惑を被る好例ですな。古くて安いエサを食わせ続けられる、わが家の宿命か。
 つうことなら、さっそく絶食!うちは「四人組」制連帯責任方式なんで、元気な三匹も付きあうべしだ。しかし対処は消化不良は高水温だし、ガス病は低水温低酸素だから、どっちにすりゃ良いのか悩むなあ。

 トメ子、逝く 2005/10/07/22:45
 数日前からカラダに変調をきたし、発見後細かな対処をしておりました金魚水槽の末娘、トメ子ですが、本日午後5時頃病状の急変に至り、その後小水槽にて3時間あまり懸命の手当てを試みましたが、力及ばず午後8時25分、ついに永眠いたしよりました。死因はガス病を伴う消化不良と推察しております。いやはや生き物の飼育はほんまにほんまにほんまに難しいな〜。
 2001年12月24日のクリスマスイブの産卵から孵化した唯一の三代目です。当水槽の戦後のベビーブームともいえる酷い時代をジャム瓶で育ち、その後なんとか4年弱を生き延びてきたワケでありましたが、全長25cm、アタマの良い(というか食い意地の張った)あたしに良く懐いたよい娘でございました。永らくのご愛顧に感謝いたします。

 …と、ある。経緯の詳細は写真のコメントにも記した。

 トメ子はウチの水槽の他の三匹より、まる一歳若い。魚体も綺麗だし頭も良かったので、いままでトラブルとは無縁だったが、実はフィルター増設直後に極端に餌食いが悪くなったことがあり、新しい環境に順応しにくい体質なのかと気にかかってはいたのだ。その後、すぐに元通りの食欲に戻ったので、以後は再びノーマークになってしまった。カタメの腸まんの時のように腹部が膨張しなかったので、外見には異常が現われず、そのぶん対応が遅れたのは残念だが、消化不良は怖い。ウチのように、始終水カビと飼育水ばかりに気を使っていると、他の症状に対する注意が行き届かなくなるのはありがち。今回の急死で、食欲の減退というのが重要なチェックポイントだと改めて感じた。



←パワーフィルター増設後、飼育水は白濁気味ではあるものの、水カビの発生はなくなった。しかしウチの暴食菌魚どもには珍しく、餌食いが悪くなってきた。錦鯉のエサを口に入れつつも即ペッ、と吐き出してしまうジャンボ。すぐ下にいるトメも反応していない。通常なら、シメタ、とすぐに食べてしまうのであるが。
(05.9.11撮)
←水カビが治まった分、飼育水は好調のはずなのだが、換水後数日経つと、極端に餌の喰いが落ちるようになった。ジャンボ(左)の口にも腫れ物ができる始末。しかし換水直後は通常の食欲に戻るので、換水以外の消化不良対策は行なわなかった。この積み重ねがトメ(右)のダメージを大きくしてきていたようだ。

←数日前から、餌を吐き出してしまうようになっていたトメ子だが、とうとう泳ぎまでフラフラするようになってきた。まだ転覆することはないが、もはや紙風船のようである。カタメの腸まんの時と同じような状態で、ようやく消化不良かと気付いたが、腹部が膨張することもなく外見は普通なうえ、常々健康をキープしてきたトメだけに、対応が遅れてしまった。
(05.10.07撮)
←消化不良&ガス病の疑いに気付き、前日(10月6日)から絶食に入ったが(遅いわ!)、行なった換水が馬鹿雄どものリピドーに火をつけることになってしまった。オーマイガー!
←もはやバランスを保つのが精一杯のトメ子を追う段平。おまえら、いつもはジャンボの方にばかり行くくせに! 当然ジャンボもアタックされて、産卵した。このときの卵が孵化するとはついぞ思わなかったが…。
セパレーターで分離することも考えたが、固定する吸盤が30cm級の「萌え」体当たりには耐えられないと判断し、断念。

↑瀕死のトメ子に向かって、段平は一切構わず猛アタック。敗けじと続くオヤジJR。
やはり畜生じゃのう。段平の罪の無い目がかえって怖い。(05.10.07撮)

←「これは、いかぬ」と、急遽、非常時用オカヤド舎の36cm水槽から砂を出して洗い、0.5%塩水浴の集中治療水槽を仕立てた。その準備作業から戻ってみると、もはやトメはプッカリと浮き、鼻上げの状態に。この期に及んでも段平(後)はあいかわらずしつこく攻め続けている。この、馬鹿野郎!ての。
(05.10.07撮)
←危険な状態の折に、想定外のサカリに巻き込まれたのは不運であった。無理を押して逃げ回ったことで、一気に体力を消耗してしまったトメ子。遅まきながら集中治療水槽に移したが…。

←トメ子の背鰭。気泡のようなものが見えるが、ガス病の兆候か? しかしウチの他の菌魚どもはもっと酷くて、腹鰭や尾鰭にまで生じているのだがなあ。
今まで、水カビ中心にケアしていたのがかえって仇になったようだ。粗悪な餌を大量に食い続けた報いなのか。中でもトメは、頭が良く餌に目敏いので一度に確保する餌の量が多かった。消化不良やガス病も、水カビ同様、元気な金魚ほど受けるダメージが大きいと言えるのかもしれない。
(05.10.07撮)
←体形に変化は見られなかったものの、ポップアイになっているのが分かる。特に死んだ日は一日の間だけで、かなり目玉が飛びだしてきた。これもガス病によるものと思われる。消化がうまく働かずに、糞詰まりになってしまったのだろう。
ガス病の場合は、酸素の摂取を抑えるためにエアレーションや浮上性のエサを避ける、水温を下げる、などの処方があるようだが、相反する問題を複数抱えた場合、どちらの対処を優先するかは難しいところだ。
←簡易オカヤド舎を急遽集中治療室(0.5%塩水浴)に模様替えして、トメを移したが、時既に遅し。カタメの事例を活かすことができなかった。後述したが、今後は定期的な「ココア浴」の機会を設けることと「餌の品質向上」で、普段から消化不良やガス病の予防に備えることにした。

↑夜になった。まだ口をパクパクし、胸ビレも時々動かしていたが、
徐々に動きに力がなくなってきた。(05.10.07撮)

←トメ(留子:♀)
2005年10月7日 20:25没・享年3歳10ヶ月
2001年12月24日の産卵時の稚魚(当家水槽唯一の三代目)
孵化日時不明(エーハイムエコ2233内にて)
父:オヤジorオジサン(もしくは段平の兄弟のいずれか)
母:ジャンボの姉妹のいずれか
死亡時の全長:25cm 体重:310g
(05.10.07撮)


 トメ子は頓死してしまったが、残してくれたものが二つある。

 ひとつは、前述したように水カビ対策以外の環境にも注意・改善するようになったこと。あー、ウチは貧乏である!(って威張ってどうする)。今まで主食用のエサは最安値お徳用の「錦鯉・成魚用/大袋」であった。しかし池に撒くわけではないから、その減りも緩やかなもので、おのずと終盤はう〜んと古くなってくる。消化不良で頓死が相次いだのを受け、これではイカンだろうと、ようやく「質」の改善に乗りだしたというわけだ。
 自分でも極端だとは思うが、トメ亡き後の餌は二種類。主食は浮上性の日本動物薬品「金魚用・メディゴールド」100g入り(ああ高〜!)。サブには、ガス病を考慮してキョーリンの沈下性顆粒・生菌剤配合「咲ひかり金魚・色揚」200g入り(な、なんとゴージャスな!)を奢った。咲ひかりなど、開封するとわたしも食べたくなるような良い香りが…。量対価格を考えると従来の10倍以上の高級食と言えるだろう。もちろん菌魚どもは大喜びで食べている。食い意地の張っていたトメが聞いたらさぞかし悔しがるだろうが、これもトメ子のおかげなのだ。菌魚どもはトメに感謝してから戴くように!
 で、その効果のほどは、というと、なんとジャンボの饂飩糞が蕎麦糞にスケールダウンした。白化中の段平の赤色部分がド真っ赤っ赤になってきた。う〜ん偉いもんだ。ただ餌の粒が小さくなったので、失明寸前のオヤジJRはますます餌を認識できずに、焦りながら闇雲に水面をスキャンしてガラスに頭をぶつける回数が増えたみたいだが。さあ、あとは飼い主の経済力が続きますかどうか。
 
 いまひとつは、トメの死の前日のサカリで産卵された卵がメダカ水槽に偶然紛れ込み、ウチのバースコントロール網を破って、4年ぶりに一匹の稚魚が孵ったことだ。まあ母親はジャンボだろうが、餌に目敏いトメがいなくなったことで、水槽内の卵が食べ尽くされずに麦飯石に付着したまま残り、数日後、スレ傷防止のために石をメダカ水槽に移したことで、無事孵化し育ったのだと思う。以後も毎週のようにジャンボは産卵しているが、他に孵った稚魚はいまだ発見していない。
 そもそも「トメ子」は本水槽と海軍兵学校合わせ16匹の大所帯のころ、ドサクサに紛れて孵った金魚で、唯一の三代目だった。もう増やせる状態ではないときに望まれずして産まれてしまったので、「打ちどめ」の願いを込めて命名した「留」なのである。そのトメ子が死んだ翌週に、新たな生命が誕生するとはなんとも意味深なことだ。
 トメの死で本水槽の金魚は三匹にまで減り、旧海軍兵学校(現クロメダカ水槽)の魚も二代目の雌クロメダカ一匹のみになっていたが、その最後のメダカも稚魚誕生の二週間後に、入れ替わるように寿命を迎えてしまった。現在メダカ水槽の魚は、その四代目稚魚一匹のみなのだ。この偶然の補充はトメの生まれ変わりの授かり物だと考えないわけにはいかない。
 そこで、この四代目金魚を「拾丸」と呼ぶことにした。「おひろい」、かの豊臣秀頼公にあやからせていただいた命名だが、しかしこの名だと、図体ばかりドデカく育ったうえ早死にしそうではあるのう…拙かったかな。来年、大坂夏の陣が訪れるのだろうか?

 さて、残った三匹の菌魚。餌も変えたし、魚口密度も減ったので、水質も幾分かは改善されるだろうと高を括っていたが、これが一向にダメだった。白濁は治まらず、三匹とも背鰭は穴だらけ、皮膚のカサカサ度も増す一方。そうこうしているうちに今度はオヤジJRが弱りだした。底砂に腹をつけてじっとしていることが多くなったのだが、そのくせ毎週サカリのときだけは大暴れする。こちらとしても「自業自得」なんで放置しておこうかとも思ったが、このうえ二匹に減ってしまうのはやはり寂しい。
 もう打つ手も尽くしたしと途方に暮れたが、いまだ試したことのなかった民間療法、「ココア浴」でもやってみるべと、食器棚にあったバンホーテンを小サジ5杯ほど投入。ところがこれがテキメンに効いた。オヤジJRはみるみる元気を回復し、以後、毎週何回かは「餌」としてココアをひと匙ほど喰わせている。ふ〜ん、効くもんだ。もっと早くから試してみるんだったなあ。
 また、上手く働いていないと思しきEX120の瀘材も、この際やけくそで奢ってしまおうと、エーハイムの瀘材「サブストラットプロ」を2kg購入(泣)、設置した。そしてひと月。ようやくバランスが整い、飼育水の白濁も治まったところである。元気を取り戻した菌魚どもは、毎週サカって暴れ、ジャンボは連続産卵し、メンテはますます大変になりましたとさ。

 「安物買いの銭失い」とはわたしの事なのであるが、「無い袖は振れぬ」というのもまたわたしの事なのである。


留子ものがたり

←ビッグ・ママ「東王」の死の直後、パワーフィルター内で孵化したが、他の成魚に捕食されるのを避けるため、生後数ヶ月はジャム瓶にて保育。
誕生の顛末は「21話・三代目の誕生」に記載

24話・嗚呼水カビ病、兵学校は海軍病院に」より(2002年3月)

←水カビの波状攻撃は続き、脱落者があいつぐも、トメ(左端)はすくすく成長。それでも本水槽は10匹の大所帯。
60cm水槽・海軍兵学校にはオヤジとオジサンも健在だった。

31話・大飯喰らい」より(2002年11月)

←当時から、餌取りの要領の良さはピカイチだったので、成長スピードは早い。水槽の隅々まで、残餌やコケなどを丹念に掃除してくれたので、実にありがたい存在だった。

33話・75cm本水槽全金魚図鑑」より(2003年3月)

←まる2年で全長は15cmを超え、1年先輩の二代目金魚たちと肩を並べるほどに。尾鰭の先あたりから徐々に白い部分が出てきたころ。成長してもサカリには無頓着なおぼこ娘であった。

39話・金魚の通信簿」より(2003年12月)

←サカリ騒ぎに巻き込まれ、オデコに付いた傷をキッカケに頭部も白く変化してきたころ。カタメが死んで、雄・雌ともに2匹ずつになった。全長は20cmを超え、体は立派だが、あまり発情しないメスで、産卵はもっぱらジャンボの独壇場。

43話・菌魚と銀魚」より(2004年11月)
↑トメ子の死と入れ替わりに奇しくも四代目誕生とあいなった。
もはや当欄も『菌魚太平記』と化しつつあるなあ。(05.10.07撮)



メダカ水槽の近況と四代目金魚の誕生

←二代目クロメダカの出戻り娘。父親に囲われたあげく、父の死をもってようやく今春、兄ちゃんと添い遂げたのであるが、子孫を残す機会にも恵まれないまま、8月には薄幸の連れ合いにも先立たれてしまい、広い60cm水槽に一匹のみになっていた。メダカの寿命を考えるに、娘と言うよりはもはや婆さんである。
(05.11.05撮)
←その婆さん、ついに餌を取らなくなり、泳ぎもフラフラしてきた(右下)ので、最後のお姿をとカメラを構えていたら、レンズの前を素早く横切る小さな影が(左上)。

おお、婆さん、死の直前に世継ぎを残しおったか!と思ったが、てて親は夏に死んでいるし、今頃孵化することはなかろう、と思い直し、よく考えてみると金魚の可能性がある。トメの死の前後、金魚水槽は毎週のサカリ続きで、魚体に傷が付くのを避けるため重し用の麦飯石をメダカ水槽に移したのであったが、それに偶然有精卵が付着していたのであろう。たぶん10月7日のジャンボの卵だ。父親は段平だろう。
(05.11.19撮)
←麦飯石に付着した卵が、腹を空かせたヤマトヌマエビ共に掃除されなかったのは奇跡だが、ともあれ10mm弱程度の稚魚が一匹、元気に泳いでいるのを確認。
稚魚と入れ替わるように、最後のクロメダカ婆さんは11月22日頃に姿を消してしまった。亡骸はヤマトヌマエビが弔ってしまったようで発見できず。
(05.11.19撮)

↑四代目金魚『拾丸(ひろいまる)』。
その誕生のタイミングはトメ子とメダカ婆の生まれ変わりと言えぬこともない。
上の写真から10日間でこれだけ成長した。(05.11.29撮)
12月8日現在20mmくらい。色はまだ黒。

←60cm水槽の住人は、サカナ系は金魚の「おひろい」一匹のみになってしまったが、ヤマトヌマエビ三匹は投入時から一匹も欠けることなく、まだ生きている。しぶとい。
(05.11.19撮)
←60cm水槽には、上記の他にチビ石巻貝が数匹と、スネール(モノアラガイか)が無数に湧いているが、このところ石巻貝が盛んに交尾、産卵しているようだ。ただ増えているかどうかは確認できていない。スネールの方は増え放題→金魚のエサだが。
(05.11.18撮)
←一日ごとに0.5mmくらいは大きくなっている感じの「拾丸」。この時点で15mmくらいに。60cm水槽に一匹暮らしの超豪華環境である。

しかし、同水槽での二代にわたる近親相姦の嗣子ということになるが、そのあたりの問題は生じないのかなあ。
(05.11.29撮)

↑トメ子の死を悼むこともなく、毎週サカリ続けている菌魚三匹。
シャンボは毎回産卵しているが、一回の卵の数は少なめだ。(05.11.05撮)

←逃げるジャンボ。追う段平。オヤジJRも追うには追うが、段平ほど積極的ではない。「なんか祭りみたいだから儂も踊っておこう」という感じだ。視力が減退しているので、おマヌケにも段平ばかりを追っていることがままある。
(05.11.05撮)
←興奮して見境がつかなくなっている馬鹿オス二匹。
段平:萌え〜〜!!
オJ:違う違う、ワシや儂。

(しかし今頃「萌え」が流行語大賞ノミネートとは、この国のマスコミの時流とはいったいどないなっとるんや)
←確かに「ココア浴」は効果があった。嬉しいので鼻歌を唄いつつココアを投入している。何の歌かって?
当然、「♪此処ァ御国ヲ何ン百里ィ〜離レテ遠ォオき満州ゥのぉ〜」だ。

トメ亡き後、消化不良と飼育水殺菌対策に、週一二回はココア末を食わせる。主食の浮上性メディゴールドと同時に投入すると、餌と一緒に呑み込んでしまうので効率が良い。そんでもって副食は沈下性咲ひかり顆粒でさわやか排便をうながす。なんと豪華な!ほんまにウチの話なのか(泣)
←古菌魚 つはものどもの なさけなさ
(05.11.29撮)

↓「拾丸」はその出生の経緯からして、どうも甘やかされて育ちそうなので、
性格がかなり悪くなることが十分予想される。(05.11.29撮)
2005/12/08 (Thu)

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