2013年1月アーカイブ


◯ 晩冬の兼題は「初旅」「つらら」「冬深し」です。

1301_c.gif  1301_b.gif  1301_a2.gif

【初旅】
面立ちの似て初旅の母娘かな      天天天天地人   呑暮
初旅の供きめかねる書棚かな      天天天地人    芝浜
初旅や眼下に傾ぐ羽田沖        天地人      呑暮
バスが来るふと乗ってみる旅初め    天地人      菫女
初旅の車窓の富士に一礼す       天地人     喜の字
初旅や伊豆一湾の朝湯かな       天地      喜の字
旅慣れし人の初旅嚢ひとつ       天地       蝸牛
初旅が最期の旅人なりし父       天        蝸牛
初旅や自問自答を繰り返す       天        小波
初旅や句帖繰りつつ微睡みぬ      天        魯斗

【つらら】
大氷柱下がる山家や藁を編む      天天天      仲春
発つ時刻も知れぬ駅舎や軒氷柱     天天地地地    逆月
時を止め束なるつららや華厳滝     天天       風写
子も孫ももう住まぬ家軒つらら     天地人人     菫女
ごめんねは口の氷柱が消えてから    天地人      磨角
帰り道細き命の氷柱かな        天地人      即馳
居酒屋は旧い酒蔵軒氷柱        天地       酒倒
日の射して氷柱はしづく又落とす    天地       仲春
つらら折り武蔵小次郎通学路      天人       雪童
つらら見て山本リンダを口遊む     天        酒倒
てん一つ載せて待ちたや「つらら」の字 天        風写

【冬深し】
冬深し堰の水音封じけり        天天天天地人人  魯斗
分岐器に火の入る朝冬深し       天天天天地人   酒倒
何処からも見える市役所冬深し     天天人      魯斗
湯治場の名前呼び合う冬深し      天地地人     音澄
投薬のふたつも増えて冬深し      天地      喜の字
冬深し君と腕組む言い訳に       天地       蝸牛
酌み交わす備前のぐい呑み冬深し    天        磨角
冬深し老で賑わふ日帰り湯       天        菫女



コダーマンの雑貨屋・頑固堂

このアーカイブについて

このページには、2013年1月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2012年12月です。

次のアーカイブは2013年2月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

最近のブログ記事

最近のコメント

検索

Powered by Movable Type 5.13-ja