2013年7月アーカイブ


◯ 晩夏の兼題は「灼く」「胡瓜」「アロハシャツ」です。

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【灼く】
ひっそりと引き戸のレール灼ける午後  天天地人人人   芝浜
綱手繰る潮に灼けたる深い皺      天天地人人    菫女
西域の灼けて果てなき砂の道      天天地      音澄
ハングルの空き缶錆びて砂灼ける    天天人人     呑暮
灼くる日や一顎杖に乗せて立つ     天地地地人    魯斗
風灼けて一人ひとつの黒い影      天地地地     蝸牛
滝壺の水より上の岩灼けて       天人人      音澄
風灼くる猪首の影を引き摺りて     天        魯斗
灼くる日の水弾く肌懐かしむ      天        磨角
ヂリヂリと灼けてヂリヂリ田んぼ道   天        雪童
気になるなあスマホも灼いてる若女   天        酒倒

【胡瓜】
初摘みの胡瓜の棘の強さかな      天天天天地地人 喜の字
井戸水に揺れて胡瓜や孫の声      天天地      雪童
曲がれども切れば胡瓜は胡瓜かな    天地地      風写
休む手に野良吹く風や胡瓜食む     天地人人     風写
時失くし老父が持ち来る胡瓜かな    天地       山女
父キュウリ孫はショコラのお八つかな  天人      喜の字
つつがなき日々の端々きゅうりもみ   天人       磨角
個性無く整列するや箱胡瓜       天       雨不埒
犬小屋の屋根に胡瓜の蔓の這ふ     天        魯斗
ビーバーの歯型きゅうりに三歳児    天        芝浜
出盛りに胡瓜の太きかっぱ巻き     天        音澄

【アロハシャツ】
大戦も遠くに隠しアロハシャツ     天天天人    雨不埒
アロハシャツ人の波濤を越えてゆく   天天天人     即馳
将棋指す昼の役場のアロハシャツ    天天地人人    呑暮
病棟の窓に眩しくアロハシャツ     天地地人人    風写
敗戦を嘆いた父のアロハシャツ     天地人人    喜の字
古着屋でアロハを漁る作務衣翁     天地       風写
フラ踊る老婆着こなすアロハシャツ   天人       音澄
アロハシャツはだけて孫と滑り台    天        魯斗
アロハシャツ鼻歌もでる勤務かな    天        駒吉
足取りも異国のリズムアロハシャツ   天        磨角



コダーマンの雑貨屋・頑固堂

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