2013年4月 晩春の句会

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◯ 晩春の兼題は「春深し」「桜蝦」「桑」です。

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【春深し】
春深しチューブの色を混ぜず塗る   天天天地      蝸牛
春深し片手枕の昼である       天天地地     喜の字
春深し一枚を脱ぐ軽さかな      天天地人人     魯斗
春深し転校生の訛り消ゆ       天地人       呑暮
鳴く鳥も聴く我も馴れ春深む     天地人       菫女
春深し宿の磨きし靴の艶       天地        磨角
緑にも花にも倦みて春深し      天地        芝浜
立ち姿うつくしき母春深し      天人        蝸牛
春深し生き物たちは鬼ごっこ     天人        魯斗

【桜蝦】
天空見上ぐ黒眼千万桜えび      天天天       逆月
さくらえび片手分買ふ誕生日     天天人人      菫女
初恋のもんじゃ崩るや桜蝦      天天        呑暮
東海の真砂に咲くや桜蝦       天地人      雨不埒
富士に立つ遊子の影や桜蝦      天地        逆月
砂浜で陽の色に染む桜蝦       天         音澄
桜海老母の十八番を口ずさむ     天         小波
遥かまで浜を染め抜く桜蝦      天         魯斗
今だけの桜蝦丼高速路        天         菫女

【桑】
山桑の顧みられず花盛り       天天天人      菫女
大原は桑畑より暮れてゆき      天天天      喜の字
制服の裾長きまま桑の花       天天        磨角
杣道を逃げて息継ぐ桑畑       天人       雨不埒
桑の木の減った理由を訊いとかな   天         酒倒
かいこ消え手入らずの桑葉は硬く   天         音澄
桑芽吹きますます声の大き人     天         小波
お歯黒を厭わず待つや桑の花     天         風写


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つぶやき再録

★喜の字さんの選句とつぶやき-------------------------------------------

【春深し】
天・春深し転校生の訛り消ゆ
地・書庫の本手つかずのまま春深し
人・春深し生き物たちの鬼ごっこ

【桜蝦】
天・砂浜で陽の色に染む桜蝦
地・富士山と千尋の海と桜海老
人・桜蝦岬巡りの朝昼晩

【桑(桑畑)】
天・桑の木の減った理由を訊いとかな
地・まあだだよ桑の畑の声遠く
人・桑畑こゑくぐもれる隠れん坊

ひさびさのつぶやき
兼題の「桜蝦」を見たとたん、吟行もどきの観光俳句がでてくるぞ!
直感は当たりました。
富士山を筆頭に、浜、丼もの・・・。
大半が想像句でしょう。
変哲こと小沢昭一氏いうところの「うそっ句」。
ウソもつきようで「ホンモノ」になるとか、ならぬとか。
だったら、もっとうまくウソをつかないと。


★蝸牛さんの選句とつぶやき-------------------------------------------

【春深し】
天 緑にも花にも倦みて春深し
地 鳴く鳥も聴く我も馴れ春深む
人 いよいよかコンドロイチン春深し

天。「倦む」という言葉、この句で初めて知りました。
チューリップも開ききり、カラーの花弁の先から乾き、新緑も濃さを増す
春の終わり(特に九州は早い)をもう飽きたぜ、と言い切るところが面白かったです。

地。鶯とはどこにも書いていないのに、鶯の声が聴こえるような句ですね。
誰もが知っているあの感覚が、楽しいです。

人。一度で憶え、じわじわと腹筋をくすぐられました。
血圧の薬とか、カツラとか、「私もいよいよか」と観念する気持ちと、新鮮さを失った春とが響き合って、ため息が聞こえるようです。
余談ですが、母はいまだに自毛にこだわりカツラを拒否しますが、娘の私に言わせれば
変なこだわりなんか捨ててキレイになってよと思います。

【桜蝦】
天 今だけの桜蝦丼高速路
地 大きくもかろき袋や桜蝦
人 杮落とし楽屋弁当桜えび

天。遠出するときの、ワクワクした気持ちを感じました。
ドライブインで期間限定のおいしそうな丼と艶やかな桜色の向こうの笑顔が見えるようです。

地。わたしの知っている桜蝦は、これです。
カラカラに乾燥して、袋に入ってスーパーで随分安く売ってあるんですよね。重宝しています。

人。「こけら」と「カキ」が別の字とはこの句を写すまで気づきませんでした(笑)
歌舞伎でしょうか。劇団でしょうか。
春公演のお弁当は、華やかなのでしょうね。

【桑】
天 桑芽吹きますます声の大き人
地 空耳を誘う無音の桑畑
人 桑畑地図に探すの好きでした

天。木々のざわめきが聴こえるようです。
うっそうと茂る濃い葉の色が浮かびます。

地。自分の句を含めそうですが桑の句には音や声と絡めたものが多かったですね。
視界を遮る大きな葉のイメージからでしょうか。
中でも無音を詠んでいておもしろく感じました。

人。すっかり忘れていましたが、地図記号って子供心に楽しかった記憶がよみがえりました。話し言葉そのままの語調がコミカルですね。


コダーマンの雑貨屋・頑固堂

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このページは、cave(管理人)が2013年4月28日 03:10に書いたブログ記事です。

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