◯ 晩冬の兼題は「歌留多」「冬菫」「雪兎」です。
【歌留多】
かるた詠む常よりやさし母の声 天天地地地地人人人 磨角
歌かるたいにしえ人と同じ恋 天天地人 山女
ガンマンの早撃ちに似て歌留多会 天天 風写
我こそは皆前のめり歌留多かな 天天 初音
あまつ風をとめ何処や歌留多会 天地地人 酒倒
皺の手に気迫漲る歌留多とり 天地人 好喜
振袖が畳を滑る歌留多会 天地 仲春
手加減をつい忘れをり歌留多取り 天人 蝸牛
持統だけは取られたくない歌留多うた 天人 蝸牛
逢ひに来し歌留多ののちの罷りかた 天 逆月
歌かるた恋を譲って御座候 天 喜の字
歌留多取りまたもあの娘と手を重ね 天 仲春
【冬菫】
石畳色一つ置く冬菫 天天天天地地人人 雪童
うつくしきお辞儀するひと冬菫 天天地地 磨角
この家に越そうと思う冬菫 天地地人 蝸牛
冬菫影を畳んで時告げる 天地人 即馳
郷愁のひかりまとひて冬菫 天地人 菫女
眼に写し野辺に置きゆく冬菫 天地 風写
十代の恋の淡さや冬菫 天地 仲春
巡り来る明日疑はず冬菫 天人人 魯斗
冬菫そこだけ光集めをり 天人 小波
雲ひくく友は海鳥冬すみれ 天 逆月
撮る人のしゃがんで迫る冬すみれ 天 音澄
病む兄の峠を越えて冬菫 天 魯斗
【雪兎】
ひと晩で月へと帰る雪兎 天天天天天天天地地地人 即馳
初めての孤独の記憶雪うさぎ 天地地地地 菫女
雪うさぎ遠き空から降りたちぬ 天地人 魯斗
雪うさぎ引き立たせたり朱の盆 天地 喜の字
親子かな雪の兎の上手下手 天地 蝸牛
シーソーの端にぽつんと雪兎 天人 酒倒
雪うさぎ鄙に継がれしこと多し 天 菫女
部屋に来て眠りて融けむ雪兎 天 逆月
雪兎まさかあなたが作ったの 天 小波
そんなにも太ってないもん雪うさぎ 天 喜の字
★小間使いさんから--------------------------------------------------
ということで、
四季を一巡りしました。
で、節分が過ぎれば春、次回は初春の句会ですよぉ。