◯ 初冬の兼題は「冬めく」「鴛鴦」「帰り花」です。
【冬めく】
ビー玉の色散らかるや冬めく陽 天天天人 呑暮
冬めくや七堂伽藍空に映え 天地地 音澄
冬めくや大地の神の薄化粧 天地人 風写
冬めくや猟銃のこゑ轟けり 天地人 菫女
冬めいて薄き日めくり剥ぐ重さ 天地人 出船
冬めきてふくら雀の通学路 天地 青羽
モフモフとヒゲの御仁や冬めく日 天 見燗
冬めきぬ光佇む礼拝堂 天 好喜
冬めいて北の旅への案内状 天 音澄
夜中咲く風の後ろに冬めきぬ 天 山女
【鴛鴦】
波残し鴛鴦の藍消えにけり 天天天人 出船
鴛鴦や互いに丸き腹回り 天天人 見燗
鴛鴦や黙する池を彩れり 天地人人 出船
鴛鴦やひと水下がり妻がいる 天地 山女
蓮枯れておしどり来る寺の池 天地 愚多楽
番鴛鴦瞼交互に閉じてをり 天地 見燗
道ならぬ鴛鴦隠る芦辺かな 天人人 凛語
鴛鴦の浮気するらしそれもよし 天 音澄
【帰り花】
下山道灯るが如く帰り花 天天天天人人 芝浜
また一日伏せる窓辺に帰り花 天天地地地人 好喜
帰り花暗渠の道の指定席 天地人 呑暮
せめてもは帰り花咲く住めぬ家 天人 風写
ひとしきり野の鳥鳴きぬ帰り花 天 菫女
帰り花赤色灯に追わる夜 天 青羽
帰り花背中押したり面接日 天 見燗
帰り花恋に染まらぬ人の恋 天 出船
★愚多楽さんの選句とつぶやき----------------------------------------
【冬めく】
天 ビー玉の色散らかるや冬めく陽
地 冬めいて幹囲われる藁の束
人 冬めくや猟銃のこゑ轟けり
【鴛鴦】
天 鴛鴦や互いに丸き腹回り
地 鴛鴦や二羽で奏でる同心円
人 鴛鴦の色鮮やかな鏡池
【帰り花】
天 下山道灯るが如く帰り花
地 帰り花暗渠の道の指定席
人 今と決め輪郭定かに狂ひ花
狩猟解禁のシーズンですね。各地で猪、鹿、熊の被害が深刻なようですが、ハンターになる人が減っており、平均年齢が高くなっているようです。
先日奥多摩で犬を連れた猟師とすれ違いました。イノシシの糞、足跡も見ました。
意外と人家に近いところにいるのですね。猟銃の音を聞くと、人に当たらないようにといつも思います。
★小間使いさんから--------------------------------------------------
雪が降り、地震がおき、寒さがやってきました。
どこかへ歩くとき、お茶を飲んだりするとき
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ではでは 小間使い