2014年6月 仲夏の句会


◯ 仲夏の兼題は「四十雀」「蜜豆」「梅雨空」です。

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【四十雀】
四十雀樹間に音符撒き散らす     天天天天地     魯斗
新しき糠の仕込みや四十雀      天天天人      磨角
幼子と廚の仕事四十雀        天天地       磨角
晩婚の華やぐ朝や四十雀       天地人人     喜の字
四十雀黄帽子の子ら朝始む      天地人       菫女
鳴く声の針穴通すや四十雀      天人人       風写
四十雀同行二人古道かな       天人       雨不埒
その高音連れ呼ぶ声か四十雀     天         仲春

【蜜豆】
蜜豆を待つ頬杖の指白し       天天天天地地    仲春
みつ豆やせせらぎの音添えて出し   天天地人      雪童
蜜豆を木陰に分かつ老夫婦      天地人       風写
蜜豆を二つ買う日がまた来たの    天地人       音澄
みつ豆や信濃の水の美味きこと    天人人      喜の字
蜜まめに桃が入って母の味      天人        山女
蜜豆や三者面談終へてのち      天人        菫女
みつ豆や五十年後の初デート     天        喜の字
「ミツマメ!」と病床日記に妻記す  天         魯斗
みつまめやたまに謀反をおこす豆   天         好喜

【梅雨空】
梅雨空や遠近感の失せし街      天天天地地     魯斗
梅雨空に早や灯りたる花屋かな    天天地人      仲春
人事から封書が届く梅雨の空     天天地       酒倒
梅雨空の新冨士駅を通過中      天天        酒倒
梅雨空や昼も灯ともす楽屋口     天地地地人人   喜の字
七回忌終えて梅雨空光差す      天地地       好喜
梅雨空や鈍色濃くす石膏像      天地人       磨角
梅雨空や走る手にぎる姉妹かな    天地人       即馳
梅雨空にコールドゲームのやるせなさ 天人        音澄


◯ つぶやき再録 ◯

★逆月さんの選句とつぶやきちょっと。---------------------------------

今回、梅雨空の天に唸っちゃいました。みなさまの評はどうか、失礼ながら、天5つというわけではないと思いますが、私メハ、唸りっぱなし。なぜこの句が自分でつくれなかったのかと慨嘆。というのも、この瞬間、このひととき、この状況が、大好きなのです。 新幹線、上り、新富士、晴れ、あまり忙しくない旅。西へ旅する。旅は始まったばかりで、心が浮き立っている。レールの音が体全体に心地よく伝わり、富士山が見えてくる。「新富士」という美しい響きが脳味噌を刺激する。なんという快感か。これを作ってくださった方、ありがとうございます!わが内にありながら、今まで句にしようと気が付かなかったのです。

【四十雀】
天 新しき糠の仕込みや四十雀
地 幼子と厨の仕事四十雀
人 路地奥の繁みに遊ぶ四十雀

【蜜豆】 
天 みつ豆やせせらぎの音添えて出し
地 蜜豆を待つ頬杖の指白し
人 落語家のサインが壁に蜜豆屋

【梅雨空】
天 梅雨空の新冨士駅を通過中
地 梅雨空や昼も灯ともす楽屋口
人 梅雨空に早や灯りたる花屋かな


★喜の字さんの選句とつぶやき-------------------------------------------

【四十雀】
天・四十雀同行二人古道かな
地・四十雀持つや「自由」という切符
人・路地奧の繁みに遊ぶ四十雀

【みつ豆】
天・蜜豆や三者面談終へてのち
地・蜜豆や検診結果はさておきて
人・みつ豆やせせらぎの音添えて出し

【梅雨空】
天・梅雨空の新富士駅を通過中
地・梅雨空にはや灯りたる花屋かな
人・梅雨空や増えるばかりの常備薬

ひさびさに、つぶやきなんぞ。
四十雀。兼題を見た瞬時の句は・・・
 ・六義園吉保好みの四十雀
でも、なんだか古めかしい。六義園が柳沢吉保の下屋敷だなんてどうでもいい。
で、四苦八苦しましたよ。みなさんだって見たことないでしょ。

で、鳥類図鑑を開く。「胸にネクタイ」が見分け方とある。
たぶん、そのまんまの句が出てくるぞ。ほら、案の定です。
ネクタイ、アイビー、ソムリエ。だから、これらは俳句じゃないって!
もう、ひと捻りしていただかないと。あっ、投句以前の問題か。

みつ豆の「三者面談」。これおもしろかった。
生徒本人と保護者と先生。どの学校だったら受かる、かもしれない。ってやつでしょ。
そのドキドキ感の着地がみつ豆で癒やされるわけ。こういう生活句は好きですね。
ちなみに、小生の即吟は「みつ豆や夫に男の匂いなし」でした。
あっ、夫は「つま」と読んでください。

梅雨空。今句会でいちばん気に入った句が出てきてほっと安心です。
「梅雨空の新富士駅を通過中」
ひさびさの出張でしょうか。駅弁買って、缶ビール買って(えっ、缶ビール買わない?じゃぁ、大関のワンカップ)。で、弁当食べ終えた頃に世界遺産の富士山が見えるはずなの。
それが、梅雨空だもん!車窓からは濃霧だけ。くそっ!でしょう。楽しみは霧の中。
心中察するにあまりあり。で、俳句にしてみた。小生は天に抜きます。
このお題の即吟は「梅雨空や根岸界隈路地深し」。これ、別の句会にだした
「根津谷中昭和長屋の薄暑かな」の亜流です。それじゃだめでしょ・・・

と、ここまで書き進めてきたら・・・
近所の本屋さんが文芸誌2冊と月刊「俳句四季」を届けてくれました。
みなさ~~ん!なんとなんと、われらが宗匠様がですよ、
冨士真奈美選の特選句に。写真付きで紹介されていますですよ。
普段は、小間使い!などと仰っていますが、とんでもありません。
どんな句がですって・・・
それは雑誌をお求め頂き、じっくりと鑑賞なさってくださいな。
そんな意地悪せずに、宗匠玉句をご紹介いたしましょう。

 ・戦記読む閉じてまた読む夏さなか

参りましたです。


★小間使いさんから---------------------------------------------------

※喜の字様、どうも、ありがとうございます。
 冨士真奈美選、は、なかなかもらえないだろうと覚悟していたので
 思いがけなく選ばれて、かなり喜んでいます。
 毎年8月のひと月「あの戦争」の本を読む習慣をどうしても
 いつかは俳句にしておきたかった。それがかなった上に
 特選になってフワフワしております。

 では 次はもう晩夏ですね 小間使い


コダーマンの雑貨屋・頑固堂

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このページは、cave(管理人)が2014年6月24日 12:49に書いたブログ記事です。

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