2017年6月 仲夏の句会


◯ 仲夏の兼題は「五月川」「柏餅」「桜桃忌」です。

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【五月川】
単線の音高く越ゆ五月川        天天天天地地人  磨角
山の香を里に運ぶや五月川       天天天天     青羽
五月川大阪平野を二分して       天地地     岩牡蠣

名も知らぬ花くるくると五月川     天地人人人    青羽
なけなしの雨を集めし五月川      天地       呑暮
五月川田の隅々まで水渡る       天人人      山女
五月川おっとり刀の消防団       天        音澄

【柏餅】
孫五人太郎ばかりや柏餅        天天天人     仲春
挫けし日母のまあるき柏餅       天天人      好喜
柏餅葉の香なつかし祖母の家      天地地人    岩牡蠣
玄関に伯母の残り香かしわ餅      天地地      酒倒
笑んで喰む吾子のほっぺや柏餅     天人人      青羽
年寄が並ぶ店先柏餅          天人      雨不埒
それぞれに柏餅買ひ別れけり      天        磨角
卓袱台の布巾の下の柏餅        天        芝浜
曇天も部活掛け声柏餅         天        見燗
柏餅味噌餡足らず剣呑に        天        音澄

【桜桃忌】
終活や古書も荷造り桜桃忌       天天地地地地   雪童
とつとつと降る雨太し桜桃忌      天天人人     見燗
太宰忌や文学少女枯れにけり      天地人      仲春
背広ひとり茶屋に居りたる桜桃忌    天地       見燗
降りるべき駅を過ぎをり桜桃忌     天地       磨角
死ぬことをひらりかすめる桜桃忌    天人人      青羽
棚奥へ深く沈めし桜桃忌        天人       風写
止まり木に弱虫見つけ太宰の忌     天人       好喜
月曜がのそり始まる桜桃忌       天        呑暮
駅前の書店で知るや桜桃忌       天        青羽
赤みどりソーダに沈む桜桃忌      天        芝浜


◯ つぶやき再録 ◯

★音澄さんの選句とつぶやき-------------------------------------------

「五月川」は、五月雨が毎日降り続くと、川は濁り水の量を増し、岸の葦叢を浸し流さんばかりの光景になる。(角川俳句大歳時記)
ということで出題してのですが、なじみがなかったか、少々受け取り方に違いがあって、五月の穏やかな川面を詠んだ句もありました。

【五月川】
・単線の音高く越ゆ五月川
・五月川大阪平野を二分して
・五月川田の隅々まで水渡る

【柏餅】
・孫五人太郎ばかりや柏餅
・柏餅そっと食みたりピアスの子
・かしわもち戦時は餡も餅もなく

【桜桃忌】
・太宰忌や文学少女枯れにけり
・終活や古書も荷造り桜桃忌
・止まり木に弱虫見つけ太宰の忌

柏餅の「孫五人」がみんな太郎という句は、なんでもない句に思いましたが、五人の孫が元気にワーワーいっている風景を描くことができて、山盛りの柏餅なんかが卓上にあるんだろうなぁ、と思うとじわじわいい句になっていきました。
ピアスと柏餅、意表をつかれました。
「桜桃忌」は、太宰という作家の人物像が行き渡り、固定していることがわかりました。固定されてしまった太宰像からポンと飛び出した句がなかった。
 桜桃忌の句に「種植えり」という下五がありました。種は蒔くものではありませんか。やや違和感ありでした。植えるのは苗木、苗でしょう。

 大雨の被害はなかったでしょうか。


コダーマンの雑貨屋・頑固堂

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このページは、cave(管理人)が2017年6月23日 07:13に書いたブログ記事です。

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