2014年3月 仲春の句会


◯ 初春の兼題は「彼岸」「辛夷」「春の川」です。

1403_c.gif  1403_b.gif  1403_a.gif

【彼岸】
野仏に片手拝みの彼岸かな      天天天人      芝浜
老ひたれば床より参る春彼岸     天天人       菫女
大方はをんな遺りて彼岸講      天地地地      魯斗
駐輪場光の整列彼岸入り       天地地       好喜
彼岸過ぎ旅のあてなく地図を出す   天地人       音澄
半袖を出して仕舞ひて彼岸過ぎ    天地        逆月
和菓子屋の混み合ってる彼岸かな   天人        仲春
集ふ人みな丸顔の彼岸かな      天人        小波
ふるさとの言葉の中にゐる彼岸    天         小波

【辛夷】
ひと雨の静かに去りて辛夷咲く    天天天天人     魯斗
辛夷咲く坂に死にたる馬祀る     天天天地地     仲春
凝らし見て辛夷とぞ知る白き群れ   天地地地      菫女
煙る野に透ける白さや大辛夷     天地人       風写
辛夷咲く遠くで山を削る音      天地人      喜の字
風あそぶ無人の駅や花辛夷      天人人       逆月
祝米寿ことしも会えた花辛夷     天         雪童

【春の川】
陽のかけら乗せし流れの春の川    天天天地      魯斗
ボート部に新人のいる春の川     天地地地      音澄
子らの声そのまま連れて春の川    天地人人      好喜
口笛で古い恋歌春の川        天地人       磨角
喧嘩して春の小川に来てみれば    天地        小波
引退の力士がわたる春の川      天人       喜の字
紅灯を映して清ら春の川       天         芝浜
なつかしき明るさばかりの春の川   天         山女
春の川フランスパンのちぎれ雲    天        喜の字
影を濃く光をつよく春の川      天         仲春


◯ つぶやき再録 ◯

★逆月さんの選句とつぶやき-------------------------------------------

【彼岸】
天 野仏に片手拝みの彼岸かな
地 駐輪場光の整列彼岸入り
人 彼岸過ぎ旅のあてなく地図を出す

地。駐輪場って静かですよね。あれは異様な静けさです。銀輪たちは、人間がいないことを確認すると、必ずおしゃべりしているはずです。

【辛夷】
天 ひと雨の静かに去りて辛夷咲く
地 原稿ののらずに辛夷ばかり見て
人 何年も門開かぬ家の辛夷咲く

天は、中七がいいですね。ニューギニアの飛行場の滑走路をバイクで走っていたら、後方からゴジラのごとき迫力のスコールに襲われたことがあります。スコールは灰色の壁のようなもので、急速に追いつき、そしてあっという間に追い越して行きました。後はまた限りない静寂。人。開かずの家ありましたねえ、こういうの。今でもあります。

【春の川】
天 影を濃く光をつよく春の川
地 ボート部に新人のいる春の川
人 見下ろせば故郷分かつ春の河

地。なぜ新人と分かるのか。分かります。それは明確に分かります。じっとしていても、動き回っても。

★音澄さんの選句とつぶやき-------------------------------------------

【彼岸】
・老ひたれば床より参る春彼岸  天
・大方はをんな遺りて彼岸講   地
・彼岸入り競馬新聞買う女    人

【辛夷】
・辛夷咲く坂に死にたる馬祀る  天
・辛夷咲く遠くで山を削る音   地
・ひと雨の静かに去りて辛夷咲く 人

【春の川】
・なつかしき明るさばかりの春の川 天
・口笛で古い恋歌春の川      地
・見下ろせば故郷分かつ春の河   人

 私の選句は以上ですが、繰り返し読んでみると、「季節の説明」か「季語の解説」の句が多い気がしました。もっと遊んだ方がいいですよ、川柳にしないようにして。
 それと、意表を突く「取り合わせ」の句が、意表を突き過ぎて、取り合わさっていなくて、バラバラになっている句、ありませんか? そう感じませんか? あ、巧いな、そういう取り合わせがあるか、あるいは、ははぁこの季語にそれを持ってきたか! と「やられた感」がないと辛い。
 その一方、俳句でいう付き過ぎ。私の感覚では「彼岸」に、隣り合うように墓参や合掌は、その付き過ぎではないでしょうか。
17文字しかないから世界が狭くなりがちですが、もう少しのびのび遊んで話を広げて、ハタと膝を打つような「語りの展開」があると素敵です。
俳句ってこういう風にまとめると「それらしくなるぞ」と、そっちに向かうと、まさに月並み句になってしまいます。これ、極力避けた方がいいですよ、ホント。
またまた、自分のことを棚に上げての、つぶやきでした。


コダーマンの雑貨屋・頑固堂

このブログ記事について

このページは、cave(管理人)が2014年3月24日 21:12に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「2014年2月 初春の句会」です。

次のブログ記事は「2014年4月 晩春の句会」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

検索

Powered by Movable Type 5.13-ja