◯ 仲冬の兼題は「冬の月」「枇杷の花」「餅つき」です。
【冬の月】
冬の月小さき声のいくじなし 天天 磨角
冬の月ハイヒールの音遠ざかり 天地地人人 雪童
下駄二足銭湯帰りを冬の月 天地 風写
冬の月電飾降らせてひとりぼち 天地 青羽
小走りの法被の背ナに冬の月 天地 酒倒
寒月に東尋坊の怒涛かな 天地 仲春
命まで差し出す日あり冬の月 天人 菫女
東京の川の魚影や冬の月 天人 磨角
立ち呑みの暖簾越しなる冬の月 天 仲春
冬の月絶対零度に白熱す 天 芝浜
【枇杷の花】
「帰省せぬ」告ぐる電話や枇杷の花 天天地人人 磨角
花枇杷にまなざし優し鬼瓦 天天地人 青羽
木造の医院に残る枇杷の花 天天地 音澄
花枇杷や父の書斎に八犬伝 天地地 菫女
枇杷の花香り幽き納経所 天地 青羽
表具師は夜逃げに至り枇杷の花 天地 酒倒
脇道に縄とびの子や枇杷の花 天人 雪童
日溜まりに猫の欠伸や枇杷の花 天 風写
【餅つき】
吾子の手の大きさごとのまるめ餅 天天地地 磨角
餅つきのおと弾みたる子沢山 天天地地 芝浜
餅つきのおんなばかりの廚かな 天天人人 磨角
菩提寺へまず二升餅搗き始む 天天 音澄
水しぶくかえし手いとし餅をつく 天天 青羽
怒る事多きを包み餅を搗く 天 風写
磨角さん、すごい。
小間使いの感想ですが、どんどん俳句の風景が縮んでいます。
あまり、小ぢんまりしないで大きく、おおらかに詠んでください。
という小間使いがヘボですが。
これで、滅入る句会2015年は終わります。
明けて1月には晩冬の句会で、また四季をひとめぐり。
月に一回ぐらい俳句を詠もうか、ぐらいの気分で
「真面目に、軽く、さらさらと」遊んでください。
ではでは 良いお年を!