2017年2月 初春の句会


◯ 初春の兼題は「薄氷」「伊予柑」「春嵐」です。

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【薄氷】
幼子の一歩に失せり薄氷        天天地地     菫女
うすごおりモノクロームの万華鏡    天天地地     好喜
水鳥の砕氷船行く薄氷         天天       雪童
黒天の星座を映し薄氷         天地地      酒倒
薄氷やしゃがみて映す顔ふたつ     天地地      仲春
薄氷を割いて水打つ老舗前       天地人人人    風写
薄氷を踏んで向かうや試験場      天地人      呑暮
薄氷や風の姿を彫り上げる       天人人      即馳
めだか飼う火鉢に今朝は薄氷      天人       音澄
うすらひや水のややこのおぶらあと   天        酒倒
薄氷聖堂にいま止む祈り        天        出船
人消ゆる光残して薄氷         天        出船

【伊予柑】
いい陽より伊予柑むいて猫になる    天天天天人   愚多楽
伊予柑を置いてうたた寝祖母の午後   天天地地人人   好喜
伊予蜜柑むき置きて去る母の家     天天地人     菫女
伊予柑を剥く嫁の手をながめおり    天地人      呑暮
病室の空気押しのけ伊予柑香      天地人      好喜
伊予柑やおんな二人のバスの旅     天地       磨角
手土産の伊予柑提げて路地の月     天地       出船
伊予柑やきまって一つはスッカスカ   天        音澄
棟上げや飛びゆく伊予柑甘さ増す    天        即馳
伊予柑を剥く親指に憂いなし      天        出船

【春嵐】
春嵐ブランコ揺らし遊び去る      天天天      即馳
顔を打つネクタイ跳ねて春嵐      天天地人人    雪童
交差点たてよこななめ春嵐       天地地      音澄
春嵐子どもの声を舞い上げし      天地地人人    小波
組み直す午後の段取り春嵐       天地人人     仲春
春嵐裾から袖に抜けにけり       天地人人     酒倒
止まないで学ラン借りた春嵐      天地      岩牡蠣
春嵐変えうるものを変える意志     天人人      出船
春嵐去った朝なお砲火の日       天        好喜
昇る陽が戸惑い踊る春嵐        天        好喜
春北風に舞い強いられてレジ袋     天        芝浜
春嵐泣きっ面に雨連れて来て      天        雪童



コダーマンの雑貨屋・頑固堂

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このページは、cave(管理人)が2017年2月22日 23:50に書いたブログ記事です。

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