◯ 晩夏の兼題は「鬼灯」「秋の蝉」「桃」です。
【鬼灯】
鬼灯やしっかりものの姉の恋 天天天地人 磨角
鬼灯の色付く庭の花果てり 天天地 魯斗
ほおずきやバーの女は髪ほどく 天天人 呑暮
葉脈を透けて鬼灯灯りけり 天地地 風写
やや酔うて鬼灯あそびの老妓かな 天地人人 喜の字
ほおずきを鳴らし母待つ日暮れかな 天地人 仲春
鬼灯をたむけて祈る北の海 天地人 風写
気まぐれに鬼灯鳴らし子に還る 天地人 魯斗
【秋の蝉】
秋の蝉きき漏らしたり辞世の句 天天天地地 喜の字
海風のやうやう来たり秋の蝉 天天地地地 菫女
句読点打って鳴き継ぐ秋の蟬 天天地人人 魯斗
輪唱で啼き納めしか秋の蝉 天地 雪童
それほどに鳴かずとも良し残る蟬 天人 魯斗
宿題のドリルは白し秋の蝉 天人 呑暮
天空に象泳がせて秋の蝉 天 喜の字
残り蝉別れもありて今もあり 天 逆月
【桃】
踊り子の反りたる喉や水蜜桃 天天天地人人 磨角
井戸端や滴るままに桃を喰う 天天天 芝浜
裾分けのその裾分けの水蜜桃 天天地地人 魯斗
ふるさとの川音迅し水蜜桃 天地人 逆月
母囲み固唾呑む日や桃ひとつ 天 菫女
繕いて真白き前歯水蜜桃 天 逆月
手に重く白桃熟れる香りかな 天 風写
最近のコメント