◯ 初春の兼題は「下萌え」「わかめ」「公魚」です。
【下萌え】
抱きし児を立たす大地や草青む 天天天天天地人人人 魯斗
下萌やきのうと違う土の声 天天天天地地地 喜の字
石蹴りや下駄の先々下萌えて 天天 雪童
下萌のほぐるる朝の小雨かな 天地地地地人 魯斗
下萌えや補助輪外す年長児 天地人人 呑暮
農夫飼う山羊一匹や下萌ゆる 天地人 菫女
下萌えや仲間外れの子が見つめ 天人人 好喜
下萌えて光と大気ふるえたる 天 即馳
【わかめ】
揺蕩うて暮らす日もあり若布汁 天天地地 磨角
土地土地の若布自慢や漁師宿 天天地 雨不埒
到来の若布炙れば郷の磯 天天 芝浜
若布干し終えて見上げる岡の墓 天地地人 好喜
わかめ干し母は砂浜父は船 天地人人 即馳
ハモニカと向き合う風や若布干す 天地人 喜の字
宿酔のべろに張りつくわかめかな 天人 呑暮
被災の日思いつ今日も若布干す 天人 好喜
一丈の若布が空を離れたり 天人 喜の字
故郷の土産といって新若布 天 山女
みちのくの復活兆すわかめ来る 天 菫女
頭頂部撫でて叩いて若布食む 天 魯斗
遠き日の青年漫画の若布かな 天 酒倒
【公魚】
箸置きもわかさぎを模し湖の宿 天天天人 仲春
公魚を釣ってひと日のすさびとす 天天天 喜の字
公魚を釣る人の背の丸きこと 天天地人 風写
公魚の釣れぬ時間の白きかな 天地地地地 磨角
公魚のほろ苦さほどの日向かな 天地地 芝浜
公魚は無心の糸に釣られけり 天地人人人 好喜
公魚の一瞬の陽を捉えをり 天地人 小波
公魚釣り湖上は無数の修行僧 天地 好喜
公魚の天ぷら反って右左 天人人人人 小波
日差せるも公魚つりは凍てゐたり 天 菫女
公魚釣子らは歓声父は酒 天 駒吉
★小間使いさんから--------------------------------------------------
「下萌え」に二句入った、
愚多楽(ぐうたら)さんが、初参加の方です。
好喜さんのお仲間で、なかなかの趣味人だそうですが
俳句にはまだ手をつけていなかったので、いざ!
ということのようです。
「わかめ、わかさぎ」が、あまりに馴染んでいる言葉だからでしょうか、
いざ俳句にしようとすると難しかったというmailがいくつも来ました。
むふふ、それが狙いでした。
また来月、次は仲春の会です。
ではでは 小間使い
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