◯ 初春の兼題は「春の夜」「接木」「燕」です。
【春の夜】
雨音のくぐもってをり春の夜 天天天地人 小波
夜半の春すこし弛めに赤い帯 天天人 魯斗
春の夜や常より甘きシャボンの香 天地地地人 菫女
春の夜や銀座の路地にふと明治 天地地地 喜の字
月琴の調べかそけき春夜かな 天地人 磨角
ほろ酔いを連れ添い歩む夜半の春 天地 魯斗
目薬のほとんど零れ春の夜 天地 仲春
酒蔵にせせらぎのおと春の夜 天地 酒倒
春の夜はひとり庭木に話し掛け 天人人 風写
春の夜は両生類の心地して 天 音澄
夢や愛ただたくわえて春の夜 天 即馳
【接木】
ひと雨に庭の芽接の出揃へり 天天天地人人 魯斗
手探りの未知こそ楽し接木かな 天天地人 喜の字
接木して金釘流の名札かな 天天地 磨角
接木して幸せさうに湯に入る 天天地 仲春
接ぎ穂削ぐ切り出しの刃の年季かな 天地人人 芝浜
接木する節くれ立つ手日に焼けて 天地 山女
継母来る我七歳の接ぎ穂かな 天地 菫女
山風に背中撫でられ接木する 天 仲春
鏡見て父の命の接ぎ穂かな 天 好喜
【燕】
もうだれもいなくなる村燕来る 天天天天天天天地 音澄
広角の空一文字に飛燕斬る 天天 魯斗
旅一座入れ交う町や初つばめ 天地 雨不埒
神宮にアンダースローのつばめ来る 天人 喜の字
軒下をスラロームする燕かな 天 芝浜
人波を縫って往き交う燕かな 天 酒倒
待ちわびた父とお供か初つばめ 天 雨不埒
★小間使いさんから--------------------------------------------------
四月に入ると、晩春の句会。
俳句、古典をなぞるような気持ちではなく
「今、季節を感じたときにその気持を17文字に
まとめて面白がる」ぐらいに広く考えて楽しんでください。
道具が要らないので、歩きながらでも遊べます。
花粉症の方、膝や腰や肩に「きている」方、
どうぞ、健やかに。
ではでは 小間使い
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