2015年3月アーカイブ


◯ 初春の兼題は「春の夜」「接木」「燕」です。

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【春の夜】
雨音のくぐもってをり春の夜     天天天地人     小波
夜半の春すこし弛めに赤い帯     天天人       魯斗
春の夜や常より甘きシャボンの香   天地地地人     菫女
春の夜や銀座の路地にふと明治    天地地地     喜の字
月琴の調べかそけき春夜かな     天地人       磨角
ほろ酔いを連れ添い歩む夜半の春   天地        魯斗
目薬のほとんど零れ春の夜      天地        仲春
酒蔵にせせらぎのおと春の夜     天地        酒倒
春の夜はひとり庭木に話し掛け    天人人       風写
春の夜は両生類の心地して      天         音澄
夢や愛ただたくわえて春の夜     天         即馳

【接木】
ひと雨に庭の芽接の出揃へり     天天天地人人    魯斗
手探りの未知こそ楽し接木かな    天天地人     喜の字
接木して金釘流の名札かな      天天地       磨角
接木して幸せさうに湯に入る     天天地       仲春
接ぎ穂削ぐ切り出しの刃の年季かな  天地人人      芝浜
接木する節くれ立つ手日に焼けて   天地        山女
継母来る我七歳の接ぎ穂かな     天地        菫女
山風に背中撫でられ接木する     天         仲春
鏡見て父の命の接ぎ穂かな      天         好喜

【燕】
もうだれもいなくなる村燕来る    天天天天天天天地  音澄
広角の空一文字に飛燕斬る      天天        魯斗

旅一座入れ交う町や初つばめ     天地       雨不埒
神宮にアンダースローのつばめ来る  天人       喜の字
軒下をスラロームする燕かな     天         芝浜
人波を縫って往き交う燕かな     天         酒倒
待ちわびた父とお供か初つばめ    天        雨不埒



★小間使いさんから--------------------------------------------------

 四月に入ると、晩春の句会。
 俳句、古典をなぞるような気持ちではなく
 「今、季節を感じたときにその気持を17文字に
 まとめて面白がる」ぐらいに広く考えて楽しんでください。
 道具が要らないので、歩きながらでも遊べます。

 花粉症の方、膝や腰や肩に「きている」方、
 どうぞ、健やかに。

 ではでは 小間使い



コダーマンの雑貨屋・頑固堂

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