2012年3月アーカイブ


◯ 仲春の兼題は「春風」「つくし」「わらび餅」です。

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【春風】
春風やゆらりゆらりとカバの尻     天天天地地人   小波
春風につかまっていく肩車       天天地地地人人 喜の字
ひと送るまなざしゆるぶ春の風     天天地地     逆月
濹東に春の風吹き勘九郎        天天地人     豆蛙
春風を野球少年キャッチせり      天地人      魯斗
春風やオルガンの音のびやかに     天人       仲春
鴨川を今出川まで春の風        天        磨角
皆が皆目を閉じてゐる春の風      天        小波
春風や 日ごとに土手の 声長けし   天        風写

【つくし】
ひとたびは捨てたふるさと土筆生ふ   天天天地地人  喜の字
斑鳩の野辺なだらかに土筆生ふ     天天天人     磨角
つくしんぼ地球を少し割りて立つ    天天地地     魯斗
ハカマ取る 母の難儀や 土筆めし   天天地人     風写
廃線の鉄路の錆や土筆伸ぶ       天地人人     逆月
初恋や目の高さにあるつくしんぼ    天地人人     菫女
旧辻の子育て地蔵に土筆生え      天地      喜の字
つくし伸ぶ12センチの空に風     天        呑暮

【わらび餅】
村歌舞伎稽古終りてわらび餅      天天天人     仲春
わらび餅少し渋めの母のお茶      天天地人     小波
折り包む紙もかぐわしわらび餅     天天       呑暮
わらびもち食べて角なき暮らしかな   天地地地地地人  魯斗
はっきりともの言はぬひと蕨もち    天地人人人人   逆月
もぐもぐとわらび餅食う歳になり    天地       音澄
持ち帰る野の香閉じ込むわらび餅    天人人      駒吉
手土産はわらびもちなり淡き縁     天人       菫女
わらび餅 売り切れとあり 路地の午後 天        風写
おかっぱのほっぺ膨らむわらび餅    天        小波


酒倒でございます。
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