◯ 初夏の兼題は「苺ミルク」「鳥の日」「大豆蒔く」です。
【苺ミルク】
アスファルトいちごみるくのぬるむ街 天天天地 青羽
強面のそっと押したり苺ミルク 天天人 見燗
木影揺れ苺ミルクの白い卓 天地地人人 風写
母娘苺ミルクでよく笑ふ 天地地人人 菫女
大粒の苺にミルク妻の留守 天地地人 菫女
ガテン系苺ミルクに頬弛み 天人人 雪童
苺ミルク白勝つように掬いけり 天 見燗
辰砂映え苺みるくの器かな 天 即馳
仲直り苺ミルクの半分こ 天 雨不埒
苺ミルク老女ふたりのあどがたり 天 磨角
苺沈むミルクの海に百八つ 天 青羽
【鳥の日】
鳥の日やわたしにもある肩甲骨 天天天地地 青羽
ママ友のおしゃべり止まぬ愛鳥日 天天地 仲春
恐竜の裔を手にのせ愛鳥日 天天 音澄
太き川鳥の日染める菫色 天地地人 即馳
餌売りの老婆きょうも愛鳥日 天地 雪童
毎日が鳥の日となり老爺かな 天地 雨不埒
鳥の日や社殿の瓦真新し 天人人 見燗
愛鳥週間寄席は中席閑古鳥 天人人 芝浜
愛鳥日ガラスの鳥にガラスの目 天 仲春
丸窓の木箱を発見バードウィーク 天 菫女
【大豆蒔く】
豆蒔くや熱もつ土の頼もしき 天天地地 呑暮
七十億の誰かのための豆を蒔く 天天地 青羽
豆を植う地は柔らかに迎えをり 天天地 見燗
茶豆蒔く準備は本屋で立ち見して 天天人 雪童
大豆蒔く運命線のごと長く 天天 青羽
地を穿ち豆蒔く軌道に静心 天天 即馳
人よりも牛多き村大豆蒔く 天地地人 仲春
豆蒔くや終日鳥に眼を盗られ 天人 風写
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