血管造影カテーテル検査【脳梗塞入院記6】

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鼠径部よりカテーテルを挿入して、脳血管の造影検査をする。造影剤が投入されるたび、アタマの中がか~っと暖かくなる不思議な感覚。脳梗塞の発症から退院までの体験ルポルタージュ、6回シリーズの最終回。

加療はおおむね終了。けどアタマはふわふわ

入院して二週間もたつと、もはや点滴もなくなり、日課と言えばリハビリテーションと定期的な検温や血圧・脈拍等の測定だけになってしまった。ま、快方に向かって来たということだから喜ぶべきなのだけれど、入院好きのあたしには一抹の寂しさとなって漂ってくる。

とはいえベッドから出て立ち歩いてみると、いまだ「ふわふわ」感が取れずに、地に足が着いている気がしない。ロビー階にあるインターネットコーナーに行き、有料でネットに繋いでみたりもしたが、どうもまだアタマがどんよりしていて、長時間の閲覧はしんどいようなので、早々に病室に戻って来ていた。

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インターネットコーナーがあるのは助かるけど回線の遅いのなんの

暇や退屈は大歓迎のあたしなので、体調が戻って来つつのダラダラ入院生活は、待ってました!モノだったが、いかんせんあたしはフリーランサーなのでありました。幸い、医療保険に加入していたので、入院費用に関しては心配なかった。しかし、家では家族たちが日常通り買い物をし電気ガス水道のスイッチや栓をためらいなく捻り受験のために塾へ通いまだローンの半分残る床に布団を敷いて寝起きしているのである。

あたしの入院によって、この生活を賄うための収入はストップしてしまっているし、また蓄えもまったく無いのだ。このままここに寝ていられたら、どんなにシアワセなことか。しかあし、現実に目を向けると、まさにムンクの「叫び」のような恐怖に包まれてしまうのであった。

うむ。いつまでも寝ている訳にはいかん。退院して早く仕事に復帰する必要がある。しかしひとたび仕事のことを思うと、このアタマの状態ではかなり心もとない。リハビリのテストでは健常者同様の成績を上げられてはいるが、自分的には、発病前に比べてもどかしさがあるのは違いなく、以前ならもっと良い成績を出せるに違いないという感じが残る。

つまり、プロとしてやって来た仕事レベルのコンディションに到達できているかというと、かなり怪しい感じがした。それに「集中力」というものがどこかに飛んで行ってしまったようで、「閃き」なんてものも、今の脳みそに求めるのは酷な気がした。まあ、これは突然の禁煙によるニコチン欠乏によるものなのかもしれなかったけれど、このタバコの件に関しては言いたいことが山ほどあるのでまた別の機会に書くことにしよう。

お股からカテーテル挿入!脳血管の造影検査

てなわけで、元気になるにつれ今度は「生業」のことで精神的不健康になってゆき、とてもこれでは「愉しい入院生活」など味わっていられないので、主治医と相談。今後どうするかを話した結果、再度の頭部MRI検査とカテーテルを挿入しての脳血管の造影検査を行い、血栓や血管の現状を詳しく調べたうえで判断することとなった。

まあMRI検査は入院後二回目なので、今回はさすがに「罰ゲーム」の思い出し笑いをせずに済んだ。続く脳血管造影検査だが、この検査、なんと200~300分の1の確率で合併症が起こる可能性があるというので、あらかじめ同意書に一筆入れるのである。

その合併症とはなにかというと、あれま「脳梗塞」らしい。脳梗塞の確認検査をして脳梗塞をおこしたんじゃ笑い話にもならないが、それにしても300分の1の確率って、検査にしちゃ危険度高過ぎやしないか? 宝くじより全然当たるやん。

この検査、鼠径部の動脈からカテーテルを挿入し、血管の中を頸部までにじりよって現場付近から造影剤を流し、レントゲン撮影をするという大げさというか無茶な検査である。穴おば開ける部分は、当然清潔でなければいけないが、いかんせんそこには陰毛が生えている。

これを剃らにゃあいかんということで、ナースのお姉さんが申し訳なさそうに報告してくれたが、「ナニをおっしゃる...」だ。若者のころならそりゃあ恥じらいもあろう。しかしこちらはもはや『老人力』が付きかかっているトシなんであって、恥ずかしいどころか、こんなに愉しそうなことには最近は全く巡り会っていないのであった。



やっぱしあそこ剃るのね、あなうれし♡

シャワーを浴びて、ベッドでいそいそと待っていたら、バリカンを持ってやって来たのはさっき申し訳なさそうにしていたナース嬢ではなかった。この方も 20代なかばの美しいお姉さんだが、ちょと冷たいタイプなのであって、やや「面倒くさい」という気持ちが態度に現れるきらいのあるお方だった。

そのお姉さんが、やはり面倒くさそうに、手荒く刈るもんだから、刃先がしばしば毛に引っ掛って痛い。たまらず「ちょちょっと!その刃、オイル切れてない?」ととがめると、「このバリカン、使い捨ての刃なのよ」と刃先を見せてくれた。

ああ、この安物ではしかりだ。「ウチにある丸刈り用の電気バリカン持って来といたらよかった」と思いつつ、この痛みも考えようで、ま、快感と思やあいいか...と我慢していたら、あっさりと終わってしまった。

早いのもそのはず、刈るのは管を通す右側だけなのである。「どうせなら揃えて反対側も剃ってよ!」と訴えたが時間がないと却下され、なもんであたしの鼠径部は右側だけがパイパンになり申した。う~む無念。

局部麻酔を施して検査室へ。意識はハッキリしているが、自分の鼠径部は死角になっているので、医者が何かゴソゴソやっているのはわかるけれど、その手先までは見えない。想像するに股にブチっと穴を開け、出血しないように止血して素早くカテーテルを送り込んでいるのであろう。

クイクイと管が入ってくる感じはする。造影モニターは見える位置にあるのだが、眼鏡を外しているからピンがあわずに見えやしない。最近の検査機器はモニターつきのものが多くて興味津々なのだが、裸眼視力が悪いと愉しみが半減する。

撮影するときには、造影剤をポンプみたいなシリンダーでコンコンコンと送り込むのだけど、これが不思議。脳内の、薬剤が入ってくるその場所だけが、じわ~っと内から熱くなってくるのだ。ふつう熱さや冷たさを感じるのは皮膚や体の表面部分だけだから、この脳の内側に温度の変化を感じられるというのは全くヘンな感覚だった。

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娑婆にゃ"暮らし"が待っている

いよいよ退院そして再発防止策を...

あれやこれやで検査はすべて終了した。いずれの検査でも問題は確認できなかったので退院の許可が下りた。しかし医者のお達しには、タバコ厳禁。酒もほどほどに。水分欠乏に注意。血栓防止の薬(バイアスピリンなど)は飲み続けること、等の条件がついてきた。

結局発病から18日間の入院をして退院。以後、本日で二ヶ月と一週間が経過した。ようやくにしてアタマのぼんやりふわふわ感は消え、ぼちぼちデザインの仕事にも復帰し、こうやってリハビリを兼ねて駄文を書いたりしているが、これが以前通りの我が脳みそか、と問えば???な部分がまだある。

集中力欠乏気味で、書く文章もとりとめなく、読みにくくなっていると思うけれど、ま、なっちまった病は仕方ないんで付き合って行くしかあんめ。皆様がたには今後ともよろしくおつきあいのほど頼んます(了)。(2008-03-17 掲載記事を復刻)

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このブログ記事について

このページは、cave(管理人)が2015年7月 5日 12:30に書いたブログ記事です。

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