ぼやコラ旧の最近のブログ記事

スポンサードリンク

西新宿の都庁ビルから両国の江戸東京博物館へ。どうせなら大江戸温泉にでもよってくりゃいいに。ヘンな東京観光だな...いや、この時ゃ営業だったんだ。

あまりにも不景気なので東京に托鉢に行った。いつもながら人に会っても酒ばかり飲んでしまい、営業をしたというより、単に散財しただけでかえって逆効果だよ。足もくたくただし。新幹線は高いし、もう...!。(小写真はクリックで拡大します)

西新宿の東京都庁ビル展望室に「おのぼりさん」

ひさびさに東京に営業に行った。連日、手提げ鞄に着慣れぬジャケット革靴でうろつきまわったので、ヘトヘトになった。その間の天気のすぐれぬある日、アポイントに空きができてしまったので、どうするかと思ったが、激動する東京がどのように変わったのかをこの目で確かめようと思いつき、都庁に登ることにした。「お上りさんのお登りさん」である。

しかしま、明治に遷都され東京行きが「上り」になったのであって、それ以前なら上方から江戸に「下」ったのである。あたしは京生れの大阪在住なので、どうにも「下る」気分が強いのであるが、京・大阪以外のひとは全然違和感なく「おのぼりさん」という気持ちになるのであろうか。このあたりの感じがよくわからない。

img_edo01.jpg img_edo02.jpg
▲恵比寿にて用件をすましてから都庁展望台におのぼり、と。

ゴタクはさておき、新宿の超高層都庁が竣工したのは1991年である、あたしが10年暮らした東京から関西に戻ったのが1991年。入れ違い。それから数多く上京したのだけれど、ついぞ都庁に足を運ぶ機会はなかった(浅草にはよく行ったんだけどナァ)。

ま、こういうものを間近に観るのは、ピッカピカの時より10年落ちで薄ら草臥れてきた現在の方が本質が見えるものだ。てなことをつぶやきつつまずは南展望台に昇った。ぐるりとあたりを見回してみて、アタマのなかで覚えのある10年前の地図と重ね合わせる。

次にあたしの定期巡回サイトである『超高層ビル情報』によって仕入れた新情報の確認をした。天気があいにくだったので、シャープな視界ではなかったが、「なんだ、こんなもんか」であった。皇居が意外に小さくしか見えない。ま、この都庁の位置は、江戸期じゃ都市のハシのハシ、内藤新宿のまた外れなのであるからこんなものか。



気分は大江戸観光モードに。足は両国の「江戸東京博物館」へと...

都庁窓からの景色にはすぐに飽きてしまったのであるが、南展望室のフロアには、現在のランドマークの位置を貼り付けた特大の江戸切絵図が敷いてあった。地図の年代は明記してなかったと思うけれど、この上にしゃがみ込んで、ほぼ半刻(一時間)以上熱心に見つめる羽目になってしまった。

img_edo03.jpg
▲展望室の床には大江戸の切絵図が。江戸のディープスラム本所割下水

img_edo04.jpg img_edo08.jpg
▲こちらは深川あたりと石川島人足寄場。江戸にムラムラ来て新宿から両国へ五月場所開催中の国技館を横目に...

う~ん、なんと面白いのだろう。いままでに読んできた時代小説の各シーンがぐるぐると頭を巡り、「深川は、どうなっとったか」「あ、新吉原みなくちゃ」などと、次から次と忙しいこと。あげく腰の痛みが倍増してしまった。死罪人の市中引き回し経路が点線で示してあったり、各横丁の木戸なんかも記入してある。苦しく(腰が)も、実に愉しいひとときであった。

都庁には南と同様の北展望室がある。当初は昇る気はなかったのだが、そちらの床にはどんなネタが施してあるのだろうと思い、わざわざ下まで降りて、昇り直した。が、はたして、何も無かった。エエカゲンにせい!

しかしいきなり脳内視界が全編大江戸になってしまったあたしは翌日、重い足を引きずりつつ、仕事もうっちゃって、隣の国技館で本場所開催中にもかかわらず(ま、不入りだけど)、両国の『江戸東京博物館』に吸い寄せられるように向かってしまったのであった。

img_edo05.jpg img_edo07.jpg
▲てなわけで気になってた江戸東京博物館に到着。右は空襲に備える東京の街並を再現した書き割り。

img_edo06.jpg
▲江戸ゾーンのジオラマ・両国橋界隈と大川の賑わい

img_edo09.jpg img_edo10.jpg
▲掘割のある都市の景色ってなぜかほっこりする。

何をしに東京さ来たんだ、おまえは? 疲れてるのなら大江戸温泉物語にでも行きなっての。(2003-05-29 掲載記事を復刻)

*旧ログを所蔵してた鯖がサービス終了のため、過去記事を復刻してます。もちろん当時は「ALWAYS 三丁目の夕日」も「東京スカイツリー」もありまへん。

おっさんの憧れのインテリア家電といえば高級マッサージチェアーだが、やっぱり高嶺の花だ。だいたい買っても置ける場所がない(笑)。でも欲しい。とっても気になる存在。各メーカー評判の機種は?店員とみっちり値引き交渉をし、機種選定のツボを聞きだしたうえ、じっくり揉まれてから「買わずに」帰ってきた。

高級マッサージ機を気兼ねなく次々と試用するの法

長年デスクワークばかりしてきたもので、平日外出することが少なかったのだが、最近の開業準備に伴う東京出張や役所めぐり、OA機器購入のための買い物、はたまた仕事の打合せなどで、外を歩く機会が急増した。

運動不足とは恐ろしいもので、いざ急に動いてみるといかに自分のカラダが鈍っているかを痛感させられることとなる。

脚は震え、指先も震え、腰が痛み、おまけに眼も不調なので首筋にも来る。買い物などオンラインショッピングでクレジット決済してしまや、外に出る必要もないのだけれど、そこはオッサンである。自分の目で確かめ、店員と値引きの交渉をし、その製品の評判などを聞きだしたうえでないと購入する気にならない。

こりゃ性分なので仕方がない。そんでもって貧乏性だから、持ち帰りのできそうなものは配送料を惜しんで抱えて帰る。一度にそうは持てないから、また出向くということになり、結局電車代がバカにならないのだが、いままでできなかった平日の街歩きがややうれしいということもあるので、まあ運動にもなるとせっせと出向いているわけである。これもフィールドワークと思い込むこととして。



さて、先日も大阪梅田の大型家電量販店某Yカメラへ。地階で素材集ソフトや消耗品など、細々としたものを購入後、一階でデジカメ用品を物色。デジカメコーナーは地階・1階・2階の各フロアにあるので、こちらは上がったり降りたりしながら意中の品物を探す羽目になる(どこか一つで済ませりゃいいのに)。自業自得とはいえ、ヘトヘト。

なおも懲りずに上階にあがり、最近のゲームのデモ画面などを見て回る。しかしプロ野球ゲームにしてもサッカーゲームにしても、そのリアルさ(実況つき)には驚くが、あそこまでお茶の間でできてしまうと、本物のテレビ観戦が何だか空しくなる。野球盤ゲームがかえって懐かしく感じる。単純だがあちらのほうが実は面白かったんじゃないかと。

そして性懲りもなく家電コーナーへ。大型のハイビジョンテレビやプラズマテレビなどが並んでいるが、まだまだ結構なお値段だ。こんなデカイのを置く場所のある家も家だが、このご時世、これが買えるほど仕事のある奇特なお方は、たぶん観ている時間などないと思うのだがどうか。

家電コーナーに寄るのには狙いがあってのことだ。ここまでのウロウロ歩きで、もはや左腰は痛みだしている。そう、お目当ては「マッサージ機」コーナーなのである。


やっぱり揉みの強さは医療機器系メーカーかな。フジ医療器とファミリーイナダの上位モデル

この店舗には各社のマッサージチェアーが各種1~2台ずつ、20台近くズラリと並べてある。かたわらには「休憩目的の利用はご遠慮ください」「五分以上の試用はご遠慮ください」などとあるが、見回してみると、まあ、眼をつぶってしたり顔の背広のオッサンや、慣れぬ仕事に疲れたと思われる新人社員のグループなどでほぼ満席。張り紙など完全無視である。

ええ、あたしもその「したり顔のオッサン」で、五分などとは言わず一時間でも揉みまくってやろうと思って訪れたのだが、いかんせんコーナー専属の店員がいる。この店員が「したり顔」の面々に次々と営業トークを掛けてくるものだから、そうそう落ち着けないようになっているのである。

しかし今日はかなり疲れがたまっている。先日行ったサウナマッサージ後の揉み戻しも来ている。ここは本格的にマッサージ機を使ってやろうと作戦を立てた。

「マジで買いに来た客」を演じて長時間試用するという作戦である。

まず、コーナー専属店員がこちらを見ている頃合いに、おもむろにパンフレットを手にする。パンフレット裏面の「仕様」のところを吟味しているようなフリをして、真剣さを店員にアピール。小首を傾げながら(このあたり細かい)、マッサージ機に腰掛ける。リモコンを手に取り、痛む「腰コース」を選択しマッサージを開始する。その後もパンフレットとリモコンを交互に見たりして「機種決定の最終段階」の顧客を演出した。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」である。



すかさず最上位モデルのリモコンを奪取!

若い店員は一発で引っ掛かり、私の方へやってきた。別にすぐに掛かってもらわなくても良かったのだが、そのあたりは若さであろう。仕方がない。

私が座っているのは、F医療器の製品である。これは前回来たときに揉み方がしっかりしていたので、アタリを付けておいた機種だ。

店員:どうですか、これ当店の「おススメNo.1」なんですが。
偏屈:押し方が力強くっていいね。ただ、なんというか演出に欠けるね。迷うところだなあ。
店員:ほかにお迷いの機種があるんですか?
偏屈:まあね、あそこに並んでるM電工のやつね、さすがに大手家電だけにコースの展開が気に入っているんだわ。細かいプログラムがねえ。リラクゼーションてなものを求めるならアレなんだが。
店員:しかしこの機種は医療器メーカーですから、効き方はいいでしょ。
偏屈:続けて比較してみないと良く分からんけど、あっちのは他の人が使用中だしなあ。空くまでこれを試してみるから、M電工のが空いたら教えて。
このことばで店員を他の客へ振り向け、堂々10分以上使用した。

店員:お客さん、空きましたヨッ!
偏屈:あ~ええ具合に効いたわ。ありがとう、じゃあっちのに移ってみっかな。
店員:どうぞどうぞ、これは若いかたがたに人気があります。何コースで行きましょうか?
偏屈:あ、いいよ自分で「オリジナルコース」組むんだから。

と、すかさずリモコンを奪取する。
いぶかしげに思ったのか店員、こんどは3分くらいで私のところへ戻ってきて、斜め横にしゃがみやがった。


家電メーカーのマッサージチェアはサービス精神満点。左はパナソニック リアルプロ

店員:え~こちらのはどうでしょう?
偏屈:あ~やっぱり揉みどころの順番や揉み方の演出などはいいねえ。リラックスできるわ。しかし効くか、というとやや物足りないなあ。ところで、こういう機械ってカムとか使って結構ムリな力をかけてるじゃない?すぐ壊れたぞって苦情なんか来ないの?
店員:ここだけの話ですけど、家電メーカーさんのは、脛を締めつける部分などがよくやられますね。実はこの隣のも壊れてるんです。内緒ですけど。治療院などに置かれるだけあって医療器メーカーのほうが頑丈なんですが、重いんですよ、その分。
偏屈:へ~やっぱり。なるほどねえ。しかし、キミ若いのにこんなコーナーの担当やってても自分が痛みもしないから、本当のマッサージチェアーの良し悪しなんか分からんだろう? どこがどう効くとか。オレだって35、6歳くらいからだよ体がガタきだしたの。
店員:(ややウロ)え~お客さん35っすか、そんなに見えないですよ~、(誤魔化しモード)ずーっと走ってらっしゃるように見えますよ。
偏屈:くだらんお世辞言ってんやないで。でもなあ、わからんやろ、凝り具合とか効き具合とか、キミまだ若いから。どうよオレが横について年配の客が求めているものを営業フォローしてやっから、この機械6万8千円くらいで売らんかい?
店員:冗談はやめてくださいよ~。
偏屈:じゃあ、オレが今から客に3台売ったら1台くれるとか。
店員:駄目ですよ~。でもボクもときどき座ってやってみてるんですけどね~。
偏屈:アカンアカン腰痛や四十肩も知らんと、どの製品がいいなんて勧められるワケないやろ。だから、このM電工のなんかがイイと思うわけだ。若いから。しかしこれはイマイチ物足りんなあ。もうすこしいいの無いの?。オレ仕事柄、疲れが「眼」にくるんだよ。
店員:「眼」ですか。それなら、あちらの製品がいいです。いや、みなさん年配の方がそうおっしゃってます。こちらも医療器メーカー製なんです。さきほどのとは別の......

このやりとりの間およそ12分。M電工製、全身コースをほぼ2周回った。首尾良し首尾良し。

店員:こちらの製品です。みなさん、押し方がよいとおっしゃいます。センサーで指圧のポイントをスキャニングしてから始まるんです。眼のツボというのは首筋のところですが、そういうところを直接指圧する場合は、このようにマット部分をはね上げて直接強く指圧できるようになっているんです!
偏屈:あ、まったまった。首の指圧機能はあとからでいい。とりあえず通常のマッサージの具合はどうかから、やってみるわ。

img_massage.jpg

若い店員が最後に勧めたこの機械。F社の製品だが、非常に具合が良かった。十分に試用したあと、マットをはね上げて首の指圧もやらせてみた。これはいい。買いだ。しかも比較的安い!。

偏屈:キミ、この機械は良いわ。あ~欲しい。これにきまりだ。あっあ~。
店員:ちょうど今メーカーさんのキャンペーン期間中になっておりまして、お買い得になっております。
偏屈:なんでまた、今、安いの?
店員:いや、実は新製品がでましてですね。
偏屈:ええっ、どんな機能が増えてるの?
店員:あの、音楽が聴けるようになったんです。
偏屈:あっそ、そらいらん。これでええわ。あ~効く。で、コレなんぼ?
店員:26万8千円です。
偏屈:ポイントは何%還元? あっそ。
店員:色も3種類ありまして...
偏屈:いらん。(キッパリ)高い。
店員:ヘ、...。
偏屈:すまん、金無い。が、これはいい。これ、欲しいぞ、オレ。
店員:はあ。
偏屈:この製品を年配のお客さんに自信をもって勧めなさい。オレのお墨付きや。大丈夫やから、コレなら。キミが分からんでも、文句は来ない。
店員:はあ。しかし...
偏屈:時間とらせて悪かったな。あ~効いた。なんとか金造って買いに来るさかい、そのときはキミ、よろしゅうたのむわ。
店員:はあ。それではちょっとお名刺だけ渡させていただきます。
偏屈:おおきに、貰ろとくわ。ほな頑張りや。あ~効いた。

通算45分超、至福のマッサージ・タイムとあいなった。(2002−05−22 掲載記事を復刻)

*古いコラムのログ倉庫にしてたサーバがサービスを終了してしまったので、当欄「古ぼやコラ」カテゴリに復刻作業をしております。昔の出来事で恐縮ですが、しばらくの間ご辛抱のほどを。

これは霰粒腫という眼病で苦労していた頃の話。近所の眼医者を三軒ハシゴしたがなかなか治らず、ファンキーな参道が有名な石切神社に参詣し冗談半分神頼み。結局、眼病は次に行ったクリニックで手術をして完治することに...(小写真はクリックで拡大します)

でんぼ(腫物)の神様、東大阪の石切剱箭神社

img_ishikiri01.jpg

先週末の痛飲で腫れた両眼は、クスリの服用と一週間の禁酒でようやく引いてきた。目薬が底をついてきたので今日も朝から眼医者へ通った。治療を受けながら医者と話したのだが、完治させるための方法が、あいかわらずはっきりしない。霰粒腫についても訊ねてみたが、前回は多発性だと言っていたのに加えて化膿性というコトバが付け加えられた。

わたしの場合、切除しても完治するとは限らないので、切る必要もないという。次、いつ通院せよとも言われなかったので、こらラチあかんわと思い、目薬だけもらって外へ出た。とはいえ、このままパソコン作業の支障が続くと、メシが喰えない。今度腫れたら別の眼医者に行こうと決め、「青色申告申請書」でも記入するかと家路に向かったが...。

外はえらい良い天気ではないか。かなり暑いが、それでも晴れの午前中は心地よい。この二軒目の眼科に見切りをつけるからには、三軒目を物色しなければならないのだが....今日は腫れがややマシだ。それですこし前に、冗談ながらヒラメイタ「神仏だのみ」を実践することにした。平日の昼前に、突然こういう決定ができるのも「ほぼ失業者」の特権である。

目指すは、「でんぼ(腫物)の神様」、生駒西麓、東大阪の石切剱箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)である。「眼の腫物」だから御利益もあろう。それに、ここんとこの帳簿付けのツケか、おいど(臀部)にもデンボができて痛い。ちょうど良い。

img_ishikiri04.jpg

実はこの石切神社、10年前に大阪に越してきたときから訪れたかったのだが、仕事の都合で行けないままでいた。

京都の実家にいたガキの頃、祖母に連れられて四五回詣ったことがあるのだが、その参道にある薬屋や占い屋の看板や風情がキッチュで、子供ごごろに強い印象を焼き付けられた場所なのであった。

その後美大時代に「キッチュもの」に凝ったこともあり再訪したいと思ってたところ。30数年前の記憶は、つげ義春の名作「ねじ式」に見られるような、目玉を描いた眼科の看板が折り重なるように連なっていたような覚えがあり、同好の友人からもう無くなっていると聞かされていたものの、確認する良い機会だ。てなわけで踵を返し、地下鉄に乗り込んだ。


寮費・水道光熱費無料・食事付のリゾートバイト!

近鉄石切駅からキッチュなファンキー参道をゆく

30数年前に祖母と詣ったときは「新石切」駅はまだなかった。実はこの新駅のほうが「でんぼ神社」に近いのだが、やはりキッチュなファンキー参道を下って行かないと風情がないので、難波で乗り換え、近鉄奈良線の「石切」駅で降りる。

img_ishikiri02.jpg img_ishikiri03.jpg
デュアルシートの近鉄5800系いわゆるL/Cカーってやつです

観光ガイドなどにこの事実が強調されていないのは、ファンキー参道商店会の思惑だろうと思うが、いずれにせよ「塵芥だめの街・大阪」が眼下に展望できる石切駅で降りたほうがモトがとれるのだ。

駅を出て参道に向かうと、少しずつ 30数年前の記憶が蘇ってきた。ガキの頃の視点は低く、今見ると景色のスケールは小さく感じるが、くねくね曲がりつつ急に下ってゆく参道の小道は、確かにあの頃通った道だ。

「目玉」の看板を探しながら下るが、友人の報告通り、もはや残ってはいなかった。しかし、そこここにある怪しげな「占い・祈祷・命名」や「漢方薬」の店舗は、今もちょっぴり異様な雰囲気を残していた。

img_ishikiri05.jpg img_ishikiri06.jpg

週末はもっと大勢の人出で賑わうのだろうが、平日の昼間である。参道を歩くひともパラパラ。それも老婆やおばさんがほとんどである。しかも服装が昭和30~40年代のまんま。都会ではこういう風景にはなかなか出会えない。おばさんのストリート誌があれば、取材のメッカになることだろう。

貼紙などのキャッチコピーもナカナカ刺激がある。「あらゆる黒焼き取揃えております」「最新式コンピューターで御先祖の肖像画描きます」「かべつちたべる子、あほう 薬あり」、占いとカラオケを合体させて商売している店まである。

img_ishikiri07.jpg img_ishikiri08.jpg
霊感鑑定所(2階)と『塩爺』演説会と迷子犬プリン

そんな中、驚くことに時折、ケータイを手にしたノースリーブの女子学生風グループとすれ違う。地元娘の感じではなく観光客のようなのだが、この娘ら、一体何や? キッチュ者なのか? それとも、おいどにデンボが出来ているのか? しかし写真はよう撮らんかった。はは小心。

img_ishikiri09.jpg

途中、ひふ病と耳鳴りの祠があった。この祠の前方にある意味不明の汚い貯水槽は、30年前にも見ているような気がした。じつは数年前より右耳がよく聞こえなくなってしまったので、「耳ナリ」ではないが、とりあえず手を合わせておく。

img_ishikiri10.jpg img_ishikiri11.jpg

さらに進むとあった「大仏」は当時はなかった物件だ。昭和55年の建立だとある。いかんなあ新しいものは。スタンドプレイで完全に風情を壊している。

img_ishikiri12.jpg img_ishikiri13.jpg

そうこうするうちに本社についた。やはり記憶より狭く感じる。手水を遣い、賽銭を投げ手を合わす。祖母と訪れた折には「お百度」も踏んだことがある。これは快癒を祈りながら距離をおいて設置されたふたつの石の周囲を百往復するのだが、この暑さでは倒れそうなので止めて、池の亀を見るにとどめておいた。

img_ishikiri14.jpg img_ishikiri15.jpg

昼も過ぎ、腹がぐゆるぐゆると鳴り始めた。参道にはそば屋、喫茶などの飲食店も多いが、なにせ無収入の身。缶コーヒーで我慢し、「上ノ宮」に寄ってから駅に戻る。途中の店で家への土産に「はったい粉」一袋を百円で買った。あ~つましい禁欲の日々。

img_ishikiri16.jpg
実はあたし右の耳がよく聞こえんのですわ、神様

何卒御利益ありますやうに。(2002-06-07 掲載記事を復刻)



美味いインスタントカップやきそばはたくさんあるけど、わたしは誰がなんたって「日清焼そば(袋)」が一等だと思ってます。フライパンの水が蒸発して「いまだっ!」という頃合いがあり、そこですかさず粉末ソースを投入。「ちりちりちり」と音がして......ちょうど良い加減に仕上げ、青のりをまぶすこの醍醐味。う~んやっぱり、日清焼そば(袋)はうまい!

一番のお気に入りは日清焼そば!




日清焼そば」なんである。実は今日、久々に食してしまったのだ。それもたて続けに2食も(一度には作らない、別々)。手前の手で調理して食べると、選から外したことに申し訳ない気持ちが、ずずいと湧きだしてしまった。

みなさんはご存知か?袋麺の「日清焼そば」。テレビを見つけないもので、最近この商品のコマーシャルが流れているかどうかは知らない。しかし私がワカモノの頃は「♪~日清焼そば、焼・こ・う!」というCMソングにのせて、盛んに宣伝していたものである。

フライパンにコップ一杯強の水を入れ沸騰させる。そこにインスタントめんを入れ、水井分を吸わせながらほぐす。すると、蒸発する水分と乾麺が吸収する水分で、フライパンの水がどんどん少なくなる。その後、私流に言わせていただければ、「いまだっ!」という頃合いがあり、すかさず粉末ソース投入!

...ここからは一瞬たりとも目が離せないし手も離せない。包装に書かれた「作り方」の表現、「ちりちりと音がする...」つうのが好きなのだが、この最期のタイミングで食感をいかようにも左右できるのだ。ん~、この緊張感がなんともいえないんだなあ。

カップ系やきそばにはない愉しみが...






  

後に同社から世界初のカップ焼そば「U.F.O.」が発売されたとき、あたしは考察した。確かに「UFO」には乾燥野菜の具は付いているうえ、フライパンや皿も必要とせず革新的ではあるが、本質的な調理過程は「日清焼そば」のほうがテクニックを要し、その分、好みの味に仕上げられる選択肢がある。

これはチキンラーメンを「鍋で煮るとさらに美味しく召し上がれます」というのとはニュアンスが違うのであって...まあいい。とにかく仁鶴、この最期の何秒かのタイミングの案配で、いろいろな風味に仕上げることが可能なのである!

そしてフライパンから手早く皿に移し、添付薬味の青のりをフリカケてササさっと食するのである!(あたしはインスタント食品には、有り合わせの野菜や具を入れないで、商品の内容のみで食することを身上としている)

うむ、なんとも独特の味わいなのである。旨いと思うか不味いと思うかは人によりけりだろうが、取りあえずこれを「焼そば」と呼んでいいのであろうか? 詐欺に当たるのではないか? などと考えつつ食せるので、週刊誌新聞など無くても食事が終わる。

当時の経済事情や色恋事情など、まあ野暮風情と言うようなものが走馬灯のように回りながら加味されてではあるが、あたしにとってはなんとも摩訶不思議な独特の、思い入れある味わいなのである。

難はといえば、コートの剥げたフライパンにはキッチリ麺が焦げ付く。ので、やもめの一人暮らしには鬱陶しい食後の作業を覚悟しなくてはならないことか。かといって焦げ付かないような水分多めの作り方をするとこれが旨くないんだ。ここが「日清焼そば」のジレンマなのである。ま、この面倒のせいで、割高なカップ製品に主流を奪われてしまったのであろうけれど。

img_nissin.jpg

「日清焼そば」が常備メニューの酒場懐かし

やや逆上してしまって、過剰な贔屓をしているきらいもあるけれど、弁解すれば、この「日清焼そば」、あたしら〈全共闘後~共通一次試験前)の世代にとっては、単に食品としてだけではない、副文化的思い入れも入るのだ。

和製フォークロック華やかなりし頃、シラケひねこびた若者が朝までたむろする音楽酒場の唯一の空腹除去メニュウ「焼そば」が、この「日清焼そば」であることが多かった。当時その手の酒場では「味」の価値など、からきし重要視されていなかったからだが、そんなことも贔屓の要因のひとつなのではある。

手先生き様不器用なあたしが、何がどしたかトチ狂い、「飲み屋」でも開店する羽目になったとすれば、肴にはコンビーフと南京豆を供するあたりが関の山であろう。しかし、しかし店の隅っこに、この、「日清焼そば」の袋を5つぐらい積んでおく。

品書きには載せない。すっかり出来上がり小腹が空いた呑兵衛が哀願の視線をあたしに飛ばしてきたら、気合を入れ注意を怠らず、最上の「日清焼そば」を焼いて供したい。うん、一調理一食。一食作るごとに奇麗にフライパンを洗うことを約束する。(2003-04-12 掲載記事を復刻)

▼インスタント焼きそば最新売れ筋ランキング(楽天市場)



霰粒腫は、治療をせずに放っておくと何ヶ月も同じ状態が続くこともある。 手術しても「眼球」そのものじゃないので保険は降りないらしいのでご注意を。霰粒腫治療体験ルポの第三回。(→ 第一回第二回

「眼疣」では手術をしても保険が降りない!

梅雨寒というのかな。しとしと雨で寒い。最低気温が15℃台というから、わたしの正装のアロハシャツではちと冷える。なんでも6月末頃の記録では昭和47年以来らしい。さすがに当時のことは記憶にないが。

などとぼやきながら、三回目の切開に眼科へ向かう。

先日、飛蚊症のレーザー手術をした友人と話したのだが、医者の勧めで診断書を生命保険会社に提出したところ、スグ終わる簡単な治療であったにかかわらず6万円ほど儲かったという。

えへ、ええこと聞いた。わたしも3度も切開するんだ、6万とはいわずとも5000円くらいは降りるかもしれない。それで今日行ったら医者に診断書を書かそうと思っていたのだが、診断書もタダじゃない。

念のため、と保険会社の担当K藤氏に電話を入れた。彼曰く、「ああ、眼疣はダメデスネ」と、つれない。どうやら「眼球」そのものじゃないと手術しても保険は降りないらしい。残念だけど、診断書料金をムダにせずに済んだ。ま、そう旨い話はないか。

両眼の状態を診た医者は、ずいぶん良くなってきたことを告げつつも、今日は左目の上下瞼に残っている眼疣をひとつずつ取るという。もうこの際取れそうなものはすべて取ってもらったほうがせいせいする。といっても、また新たなものができてくる可能性が高いのだそうだが。

医者のくり返すことばはひとつ、「最初のときに取ってしまえばこんなことにならなかったんですが...」ばかり。わかりましたよ、最初と二度目のヤブ 眼科になど行かずに、のっけからウチに来いよ、と言いたいのだろう。了解しましたって。

※前回、前々回同様、フルリクライニングシートへ、左目を麻酔する

もはや「三番斬り」、ベテランである。今回はいきなりいろいろ訊ねまくってやろう。



こんなにたくさんあるヒトは初めてだ!

プチ、プチ、プツ、プツ、......

偏屈:「それ、鋏をつかっているんですか?」
医者:「......、いえ」
偏屈:「いままではメスかと思っていたのですが...」
医者:「............」

おや、今回は機嫌が悪いぞ。なんでか?

プチ、プチ、プツ、プツ、......

医者:「............」

ははあ、今日は火曜日。それも夕方である。この眼科、水曜日が休診日である。そのうえ、土日祝日も開業している。偉いのである(というか売上げ重視かも)。ということは......お疲れがピークなのであろう。手元が狂ったりしたらカナワン。ま、今日はいいや。

医者:「ふ~、終わりました」
偏屈:「ありがとうございます」
医者:「いや~、2、3個あるヒトは、結構いるんですが、こんなにたくさんあるヒトは初めてだ!」
偏屈:「はあ」

実はこの時、すかさず、「ギネスブックに載りますかね?」と言おうと思ったのだが、先の会話から、今日はスイングしないと予想されたので、止めておいた。

今回の治療は、左目のみ。ただし上下の瞼を切開したが。慣れとは恐ろしいもので、もはやチョロイものである。一週間後にもう一度見せるように、との指示をいただき、薬を貰いに、例の「ヤンキー座り薬剤師」の薬局へ行く。

今日は、お姉さん、白衣の下にズボンを穿いておられた。梅雨寒のせいで損した。...おしまい。(2002-06-25 掲載記事を復刻)

スポンサードリンク

偏屈 twitter

@boyacave

偏屈 YouTubeチャンネル

サイト内検索

偏屈の洞窟 アーカイブ

YAHOO!カテゴリ

studiocave —偏屈の洞窟—は
ヤフカテ登録サイトです。
YAHOO!カテゴリ→ ヤドカリ

about & archive

my friends

プライバシーポリシー

当サイトでは、第三者配信による広告サービスを利用しています。このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報(氏名、住所、メールアドレス、電話番号は含まれません)を使用することがあります。このプロセスの詳細やこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法については、こちらを参照してください。

当サイトに掲載している商品はアフィリエイトプログラムとの提携です。商品のご注文・お支払いはリンク先の企業とのお取引となりますので、掲載商品に関するお問い合わせなどはリンク先企業へお願いします。
Powered by Movable Type 5.13-ja

boyakin

SPONSORED LINKS

RAKUTEN ICHIBA

おすすめ物件

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうちぼやコラ旧カテゴリに属しているものが含まれています。

次のカテゴリはぼやキンです。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

アウトドア用品