20年ぶりの耳鼻咽喉科

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突然、蓄膿が出た。

ド黄色のゲル状物質がとめどなく湧き出てきて、自分の鼻と口の内部がメチャクチャ臭い。このニオイと味は何に例えたらいいものか。くさやとか、そのへんにある臭いのものとはちょっと違う。クサいのだけど、ちょっと香ばしく感じるところもあるのだ。整腸剤のエビオスとか釣り餌のサナギ粉のような不思議な臭みが混ざっている。

このニオイ、初めてではなくて2度目だ。前回出たのはかれこれ20年ほど前で、その時もたまらず耳鼻科に行ったのを思い出した。ただ、どうやって治したのかは憶えていない。この独特のニオイが懐かしく思い出されただけ。で、一週間ほど手持ちの抗生剤を飲んで、鼻をかみまくっていたのだけど、これが一向に治らない。

食べ物の味や香りは全くわからず、家族や周囲にも絶大な迷惑がかかるというので、ひさびさに耳鼻科に行った。京都に引っ越したので、この耳鼻科医院に行くのはおよそ40年ぶり。子供のころお世話になった老先生はとっくに故人となり、当時の若先生がすっかりお婆さんになっておられた。でも、医師は自分より歳上の方が素直な気持ちで治療をうけられて良いね。まあ、脳外科や癌治療なんかは最新の知識と技術のある若い医師にかかるのがいいんだろうけど。

洟を洗浄して、副鼻腔炎に効く抗生剤を貰ってきて飲んだら、蓄膿は3日で治った。しかしあの洟洗い機というヤツは実に気持ちが良い。頑固に詰まっていた異様な物体がクスリ液の水圧でドバドバっと押し出されてくる快感は久しぶりだ。これは病み付きになりそうです。

というわけで蓄膿の方は事なきを得たんだけど、ついでにもう25年ほどよく聴こえなくなっている右耳も診てもらう事にしたので、当分通院することになる。耳の治療は痛いし、難聴はたぶん治りはしないのだけど、洟洗いの快感のほうが大なりなので、耳にかこつけて通院し、洟洗いを継続するのだ。ああ、気持ち良き哉、洟洗い。