酸素濃度進化仮説って面白い

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新カテゴリ、「ぼやヨミ」作りました。本編で永らく開店休業中の「文庫本読書倶楽部」なんでありますが、最近はもはや読者の方にきちんと本の内容を紹介する気力と、HTMLで作ってサイトアップする意欲が失せてしまって放置状態。

そのうえ脳の老化か、本の内容が読んだ尻からどっかへ霧散してしまい、レビューを書けるほどの感想が残りません。こりゃもう更新できんわとうっちゃってましたところ、先日、横尾忠則センセのツイートに「45才まで、まともに本を読んだことのない自分が、この年になって毎日本を読んでいる。ところが記憶力が劣ろえる一方なので、何も残らない。読んだ結果ではなく、読むこと自体が目的だから、それでいい。読書は味覚とよく似ている。瞬間だけだ。」というつぶやきがありましてね。

あたしの活字依存症は以前のママ。いちおう途切れること無く本は読み続けてるので、横尾センセイのご託宣を受けて、「読むこと自体が目的だから、それでいい」と開き直ることに。で、これからは力まずこっちのほうにちょこちょこ書いていこうかなと。

つうわけで、ひさびさの本の感想を。もう「文庫本...」のように、★評価したり、マジメに感想を書いたりはできませんけど、最近読んでオモロかった本は、「ぼやヨミ」で話題にして行くことにします。毎度お馴染みの長口上になっちゃいましたが、よろしゅうに。


現在、バラ読み進行中なのが、伊沢元彦の「逆説の日本史シリーズ」(小学館文庫)なんですが、コレ、いままでに歴史モノをたくさん読んで来てる人には、結構面白く読めると思いますよ。時代ものに真っ白の人が読むと洗脳されちゃうかもしれませんけど、通説史観にクサビを入れた解釈は新鮮で楽しいです。

同様に、逆説進化論で面白かったのが、「恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた」ピーター・D・ウォード 著(文春文庫)であります。

この本、新刊ではありませんで、単行本が2008年、文庫が2010年に出てるんですが、頑固堂さんにいただいて最近読みました。売らんかなでタイトル冒頭に「恐竜」が付いてますけど、生物進化全編に関するオハナシ。

地球上生物の進化に関しては、さまざまな説がありますが、先カンブリア紀から現代までの絶滅と進化の流れが、そのときどきの酸素濃度と二酸化炭素濃度の変移に着目すればキッチリ説明できるという論文なんであります。

まあ、歴代の酸素濃度と二酸化炭素濃度の推移のグラフ(ジオカーブサーフ・モデル)に、どのくらいの信憑性があるのかというのが引っかかるところではありますが、こちとら専門家じゃないのでそこはスルー。これが正しいモノだと仮定すると、この説、なかなかピッタリ嵌まっているのでありますよ。

先にも書いたように、読んだ尻から内容が消えるあたしの脳でありますから、こんな学術的な文章だとなおさらでありまして、目が活字の表面を滑ってるだけのような読書しかできません。難しい御託のところなんぞは、「ああ、鰓呼吸のオカヤドカリならこのころどうしてたのかなあ...」なんて思いながら流しましたわ。

いずれにせよ、定説を覆す「逆説・新説」もので良くできてる作品は、非常に面白く読めますな。どちらの本もキモは、敬意を持って他ジャンルの研究とコラボすれば、いままで見えなかった真実が見えてくるよ、というモノ。既存アカデミズムに難癖を付けるのが楽しい偏屈読者には、おススメの物件2題であります。

◯本編アーカイブ→ 文庫本読書倶楽部

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このページは、cave(管理人)が2012年6月 7日 02:56に書いたブログ記事です。

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